窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「大豆田とわ子と三人の元夫」第九話

放送日

  • 2021年6月8日

あらすじ(公式サイトより)

ビジネス上は敵対関係にありながら、心を通わせるとわ子と大史。ところが、社長からの恩義に縛られることなく生きることを選んだ大史は、かねてから誘われていたマレーシアの会社に転職することを決断。さらに、現地では建築士としてとわ子の仕事も見込めるとして、とわ子に「人生を一緒に生きるパートナーになってくれませんか」とプロポーズをする。

そのことを八作に伝えた唄は、「取り乱すから」と慎森には内緒にしておくようお願いするが、運悪くそこへ慎森が現れる。その後、バッティングセンターで大史と待ち合わせていたとわ子の元に、なぜか八作、慎森が現れる。慎森いわく、八作がプロボウラーと結婚することになった、と。困惑しながら結婚報告する八作の話を聞いていたとわ子だったが、そこに遅れてきた大史が現れて……。

唄の応援もあり、四度目の結婚や新天地での生活に期待をふくらませつつも、一方では社長として会社と社員たちの行く末も気になるとわ子。そんな彼女に対して、元夫たちはそれぞれの思いを胸に行動を起こす。

あらすじ(上記の続き)

小鳥遊大史は、会議の場では、パワハラ疑惑や判断ミスによる損害などを指摘し、とわ子に辞任を迫る。が、プライベートでは仲良く(?)食事をし、自身の相談に乗ってもらったりしている。

ある日、とわ子が小鳥遊に会うための準備をしているところへ慎森が訪ねてきて、携帯を取り上げ、部屋に閉じ込める。小鳥遊に会うな、あいつはダメだと。そしてとわ子に最もふさわしいのは八作だと告げる。

ちょうどその時、マディソンパートナーズの社長が逮捕された。小鳥遊もデートどころでなくなったわけだ。小鳥遊を心配するとわ子だが、小鳥遊は結局事情聴取だけで済んだ模様。いい機会だから転職する、こんなことでもないと社長のもとを離れられなかった、と小鳥遊は言う。これまで逆らうことができないくらいの恩義を受けた社長の逮捕に案外醒めている小鳥遊を見て、とわ子は違和感を覚える。

後日、一人でオペレッタを訪れたとわ子は、小鳥遊のプロポーズを断わった、これから、三人でやっていこう、と伝える。時々はかごめのことを思い出してあげようと。

雑感

慎森がとわ子に「マディソンパートナーズに勝てるかも知れない、今社内は専務派がクーデターを起こそうとしている、それが起きれば社長派の小鳥遊も失脚する」と報告するが、ピント外れもいいところ。小鳥遊が失脚したところで、株の過半数を持っている事実に変わりはなく、別の人がやってくるだけのこと。そして誰がやってきても、とわ子の言いなりにはならないだろう。新生しろくまハウジングは、この役に立たない顧問弁護士との契約は解除した方がいい。

マディソンパートナーズがとわ子に辞任を迫るのも謎。さっさと解任の決議をすれば済むのでは。社員の反乱を押さえ、その後の経営をうまく進めるためには、とわ子が「自発的に」松林に社長の椅子を譲ったということにしたかったのか。

社長の逮捕は、専務派のタレコミによるものではないかと考えるのが自然だが、僕は、やったのは小鳥遊なのではないかと思っている。社長から離れた方がいい、このままでは一生飼い殺しだ、と気づいていても、面と向かって逆らうことはできない。離れるためにはこのくらいの事件を起こす必要があったのだろうということ。

もうひとつ、小鳥遊は社長の命令を忠実にこなす犬だったわけだから、社長が違法行為をしていたのなら小鳥遊も知らぬ存ぜぬでは通らないだろう。日本で司法取引のようなことがどの程度忖度されるのか知らないが、とにかく正直に白状し証拠も提出する代わりに、小鳥遊の逮捕を見逃してもらった、と考えれば辻褄は合う。

ところで、かごめを挟み、同じ傷を持つ同士として、これからも八作と付き合っていくという結論は、非常に疑問である。三番目になぜ唄がこないのか。かごめのことは二人の共通の傷かも知れないが、死んだ人より生きている人の方が大事。何より唄は二人の子なのだ。夫婦ではないけれど、唄の父親と、母親として、これからも三人でやっていこう、というならわかるが。

(2021/6/21 記)


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