窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(16):勇ううぅ

第四週「1943-1945」(月)

放送日

  • 2021年11月22日

出演

概要

稔、安子、寝間着姿。稔は安子に辞書を手渡す。安子に渡すのは二度目だ。安子は「ご無事で……」と言って涙ぐむ。その後、稔は出征したが出征のシーンは描かれず。その二ヵ月後、おめでたがわかった。(1943年12月?)

徴兵年齢が下げられ、勇も出征することになり、家へ帰って来た。安子のお腹はだいぶ大きくなっている。(1944年6月16日)

食卓では美登里が「なんで稔だけでなく勇まで兵隊に取られるのか」「二人とも私がお腹を痛めて生んだ子」「稔は安全なのか」などとヒステリックに叫び続ける。

小しずは近所の母親たちと竹槍を作っている。雨が降りそうで、洗濯物をほしたままにしてきたのが心配だと赤螺清子がため息をつく。もう一人はきぬの母と思われる。ラジオで天気予報をやらなくなってしまったため、天気がわからず困るのだ。情報漏れを防ぐため、天気予報をやめたらしい。

安子、女児を出産。名前は稔が決めて、書き残してくれたという。自分も知らないんですけど、と。封印してあった紙包みを開けると「命名 るい」とある。千吉、美登里は「奇妙な名前だ」と戸惑うが、安子はどこからとったか、すぐにわかった。同時に、それは口にしてはいけないことであり、まずい……と戸惑った表情を見せる。その時、勇が叫ぶ。「わかった、これは野球の塁じゃ。守る方も攻める方も一番大事なものじゃ。みんなでるいを守るんじゃ」。それを聞いて千吉・美登里も「いい名前じゃない」「稔が決めたんだし」とうなずく。(1944年9月ごろ?)

勇が出征。結婚はしなかった。

ラジオが東京を多数の爆撃機が襲ったことを告げる。本土の、しかも都心が空襲を受けたのだ。美登里は半狂乱になって「鬼畜米英」「鬼畜米英」と叫ぶ。(1944年11月30日)

安子は毎夜るいに On the Sunny Side of the Street を歌って聞かせる。誰にも知られてはいけない子守歌だ。

雑感

勇と安子

稔と安子の結婚に勇の暗躍はなくてはならないものだった。勇は自分の気持ちを封印し、「君と君の大切な人がしあわせになるために」行動したのだ。が、今日の二人を見ていたら、これはこれで悪くなかったようにも思える。勇は安子をあんこ呼ばわりすることでわかるように、幼い頃から今の今まで、からかったり、悪態をついたりすることはあっても、穏やかに、楽しく、間近で会話をかわすことは一度もなかったはずだ。それが家族になったことで果たされたのだ。

もちろん、手を握ることも抱きしめることもできない相手であり、思春期の男子としてそれでいいのかという部分はあるが、もし早い段階で気持ちを打ち明けていたとしても玉砕していたことは明らかで、それならばこういう風なあり方もあるのではないか。勇もちゃんと19日の僕のアドバイスを聞き届け(?)安子を「ねえさん」と呼んでいたのはよかった。

安子にとっても、稔の出征後、自分と同世代の人が一人もいない家に、幼馴染が戻ってきて、短期間とはいえ一緒に暮らすことになったのだ。他愛のない話ができたのは楽しかっただろう。

勇ちゃん大活躍

勇は随所にナイスプレーを見せる。母が取り乱した時に「母さん、もうやめて。つらいのは母さんだけじゃないんだよ」と言って制したり、安子が女児を産んだ時に千吉が「次は男の子がええのう」と言うと、すかさず、「父さん、今言うことじゃないでしょう」とたしなめたり。

ちなみに、確かに失礼な話ではあるが、男子がありがたがられるのはこの時代の風潮だし、二人目を産むということは、稔が生きて帰ってくることを信じているという意味でもあるわけだから、安子は必ずしも悪い気はしなかったのではないかと思っている。

勇は「るい」の意味をわかっていた?

twitterを眺めていると、勇が「るい」の意味を壮大に勘違いした、と受け取った人が多かったようだが、僕は勘違いではなく、わかっていたのではないかと思えてならない。勇が(安子に負けず劣らず)お兄さん大好き人間であることと、すごく頭がいいことは、先週の放送でわかってしまった。当然、兄の洋楽好きも知っていたはず。ルイ・アームストロングは知らなくても、そっち方面の何かだな、ぐらいはピンと来たんじゃないか。だけどそのことがわかったら、大変なことになるのは目に見えている。だから咄嗟の機転を働かせて「野球の塁だ」と叫んだのだと思う。実際、勇がそう言ったら、両親はそれで納得し、それ以上追求しなかった。これは勇の大ファインプレーだ(と思いたい)。

安子はあの曲をいつ覚えた?

On the Sunny Side of the Street を毎夜歌ってあげたということは、完璧に覚えていたということだ。詞は稔からの手紙でわかっていたけど、曲はいつ覚えたのだろう。僕は最初、結婚してから毎日ディッパーマウスに通ったのだろうと思っていたが、考えてみたら(通ったかも知れないが)洋楽のレコードは没収されたからかけられない。番組中では二度聴いているが、いくらなんでも二度では覚えられないだろう。

TLには、短い結婚期間中、毎日稔と一緒にこの歌を歌っていたのではないか、という意見があった。そうかも……

その他

  • タミを演じる西川かの子は早い回から登場していたが、これまでは印象に残るシーンがなく出演者として書く機会がなかった。今回はセリフもあり、よく見ると家族から一歩離れつつ家族に対して実に表情豊かに見守っていた。これまでのタミさんの登場シーンを全部見返したくなった。
  • きぬちゃんのお母さんもちょこちょこ登場しているようだが、印象に残らない。


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