第七週「1948-1951」(金)
放送日
- 2021年12月17日
概要
勇は雪衣にこの間は言い過ぎたと謝る。雪衣の方こそ謝るべきだと思うが、ここでは謝罪せず、いいんですよ気にしてませんから的な態度。
算太はチャップリンの真似をして軽やかなステップで雪衣に近づき、花を渡す。
安子はるいを連れて朝丘神社に行き、ローズウッドとテキスト作りに勤しむ。ローズウッドから、名字読みは他人行儀だから名前呼びにしようと提案され、ミセスキジマからヤスコに呼び方が変わるが、安子はロバートとは言えず、ロバートさんと言ってしまう。
ロバートは、大阪でもおはぎを食べたが、安子の作るおはぎが一番おいしいと言い、その理由を尋ねる。るいが、おまじないを唱えるからだと説明。安子はおまじないを教え、ロバートはそれを英訳する。
雉真繊維野球部と進駐軍との試合。勇は並々ならぬ決意で臨む。勇は三塁打を放ち、次打者のフライでタッチアップ、決勝のホームを踏んだ模様。アメリカ軍に勝ち、歓喜の輪が広がる。
翌朝、英語であんこのおまじないを唱えつつ小豆を煮る安子に、勇が「結婚してほしい」と告げる。
今日の勇と雪衣
「どうもわしゃ、野球以外はからっきしで」
「それがぼっちゃんのええところだと思います」
「安子さんもるいちゃんも、ぼっちゃんのことを頼りにしているはずです」
「なんじゃ、わしの方が励まされてしもうたのう」
あんこのおまじない
小豆の声を聞け、
時計に頼るな、
目を離すな、
なにをしてほしいか小豆が教えてくれる
食べる人の幸せそうな顔を思い浮かべ、
おいしゅうなれ、おいしゅうなれ、おいしゅうなれ
その気持ちが小豆に乗り移る
うんとおいしくなってくれる
甘え餡子ができあがる
Listen to the read beans
Never trust clock
Keep an eye on them
They'll let you know what to do
Imagine the happy smiles of the people eating them
Be delicious, be delicious, be delicious
That feeling will flow into the bean until they become delicious sweet anko
雑感
勇と安子
勇が安子のことを好きなのは事実なのだろうし、安子が和菓子を作り、それを売ることも、英語を勉強することも、別段、とがめだてしたりはしない。が、自分は興味ないし、理解しようとも思っていない。だから、おまじないを唱えつつ小豆を煮ている安子に平気で話しかけたりする。
安子は勇のことを、好き嫌いでいえば好きなのかも知れないが、野球の試合を見に行ったりはしない。興味も関心もないのだ。もう、答えは出ているのだ。
もっとも、それは(恋愛感情をベースにした)現代的な考え方で、安子の身分保障やるいの生活、雉真の家のことなどを考えたら、また別の判断があるかも知れないが。
雪衣は何者?
勇が雪衣を強い調子で怒鳴ったといっても、別に暴力を振るったわけではない。身内に侮蔑的なことを言われから、叱りつけたのであって、別に謝る必要はさらさらないと思う。が、不問にすることを決めると、今後もうまくやっていくためには自分から謝った方がいいと考えたのだろう。立派な振る舞いだ。
それを受けた雪衣は、土下座して「私こそ出過ぎた真似を致しました」と謝罪すべきところを、一切謝らない。それどころか「それがぼっちゃんのええところ」などと、何か上から物を言っているように聞こえる。雪衣は、もしかして雉真が頭の上がらない重要顧客の親類の娘とかで、躾(花嫁修業)のために預かっているのか。
それにしても、雪衣は勇に心を寄せているはずだが、安子との結婚を薦めるのも解せない。雪衣の本心はどこにあるのだろうか。
その他
- 野球の試合で三塁を守る勇がゴロをさばくシーンがあった。きちんとさばいてアウトを取ったということのようだったが、送球がど素人だった。球が一塁に届かなくてもいいのだから(芝居の上では)、もう少しまともな投げ方はできなかったか。
- 報酬が出るのかどうか知らないが、安子のやっている教材作りは一応「仕事」だろう。そこへるいを連れて行っては邪魔なだけではないかと思うし、「仕事」にるいを巻き込まないというのは千吉との約束でもあったのではないかと思ったが、るいと連れて行かないと部屋の中で二人きりになってしまう。それを避けるためか。
- るいが三人の絵を描く。これ、るいが家へ持って帰り、誰かに見られたりしたらヤバくないかな……
(2021/12/31 記)