第十週「1962」(水)
放送日
- 2022年1月5日
概要
るい、7月分の給金をもらう。大口契約を決めてきたご褒美に色をつけておいたという平助に、何に使う? と訊く和子。貯金すると答えたるいに、和子はいつになく激高する。何か楽しいことに使え、と。
それで本でも買うかと本屋に行く途中でジョーと再会。ジョーはレコード屋を案内するが、プレイヤーを持っていないるいはレコードを買っても仕方ない。ジョーは店にるいを連れていく。
Night & Dayは開店前なのにベリーがいて、ジョーが女を連れてきたためいきり立つ。そこへトミーもやってくる。
るいの名前を知って、トミーは、ジョーがサッチモちゃんと呼び掛けた理由を理解するが、ベリーは面白くない。なんで洗濯屋の娘がるいなんて名前なのかと絡む。娘ではない、住み込みで働いているだけと答えると、それなら何者なのかと追求。ジョーは、岡山の人でしょ、と指摘。小暮は、ご両親はルイ・アームストロングのファンだったのかな、と尋ねるが、るいは、叔父が野球好きだったから塁なのだと答える。
ジョーは、間もなく開催されるサマー・フェスティバルに自分も出演するからとるいを誘う。
今日のるいと和子
「どないなことに使うんか。かいらしい服買うんか? おいしいもの食べに行くんか? 温泉にでも行くんか」
「貯金します」
「へ!?」
「特にほしいもんもねえし、大事にとっておきます。ありがとうございました」
「あかん! 貯金すんのはええ、そやけど全部はあかん」
今日のベリーと小暮
「小暮さーん、レスカちょうだい」
「(モップをかけながら)ベリーちゃん、気ィついていると思うけど、まだ開店前だからね」
「そやから、なに?」
「なに、て」
「もう短大の友だちにチケット売ったらへんで」
「またそないにして脅す」
「当たり前や、持つべきもんは、金払いのええお得意さんやで」
「考え方がええとこの短大生やあらへんで」
今日のジョーとるいと小暮とベリー
ジョー「アイスコーヒーでいい?」
るい「はい」
ベリー「まだ開店前やで」
小暮「どの口が言うとるんや」
ベリー「ふんっ」
今日のトミーと小暮とベリー
「アイスコーヒー」
「誰も営業時間気にしてへんな。あいよ」
「私のレスカはいつできるん!?」
今日のジョーとるい
「クリーニング屋のおばさんのことやけど、戦争中やったんと違うかな。サッチモちゃんくらいの年の頃。着たい服も着れん、食べたいものも食べられへん、行きたいとこにも行かれへんかったんちゃぬかな。そやから……」
雑感
今日は絵よりもセリフで回す回だった。随所に面白い、かつ重要な言葉が散りばめられている。
和子があんな風に血相を変えてるいを怒鳴りつけるなんて初めてのことで、るいならずとも驚くが、自分が若い頃戦争中で不自由な思いをしただけに、若いるいには青春を謳歌してほしかったのだ。
おばさんの気持ちもわかるが、何も給料をもらった瞬間に使わなくてもいいのではないか。たいした手持ち資金もなく、頼れる身寄りもないるいとしては、とにかくある程度貯金ができないといざという時に話にならない。ぜいたくは、ある程度まとまった金額が貯まってからでもよいと思うが……。
本屋に行こうとするるいとレコード屋から出てきたジョーがばったり会うのは、稔と安子が再開したシーンの相似形。
ジョーは、ベリーが相当な金を遣って自分を追いかけていることは知っているはずなのに、ベリーの前で「サッチモちゃんが淹れてくれたコーヒーはおいしかったなあ」などと話すのは天然のなせるわざか? しかし、ベリーの気持ちはわからなくても、るいから話を聞いただけのおばさんの気持ちはわかるのだ。
サマー・フェスティバルのポスターでジョーの名前が判明。大月錠一郎だ。んん? 錠を「金」「定」に分解すると、名前の中に「定一」が含まれるが……考え過ぎか?
最後、るいが竹村夫妻に何か話がある様子で終わる。サマー・フェスティバルに行きたい(から休みがほしい?)ということを伝えるのだと思うが、それだけにしてはちょっと大げさ。他に話があるのか?
(2022/01/09 記)