窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(51):ジョー、プロポーズ!?

第11週「1962-1963」(木)

放送日

  • 2022年1月13日

概要

海岸線の道を走るオープンカー。乗るはトミー(運転手)、ジョー、ベリー、るいの四人。ベリーは運転席を蹴飛ばし「話が違う」とわめく。ジョーは嬉々としてるいに話かける。るいは帽子を押さえつつ、「なんでこんなことに」と戸惑う。

「旭海岸」のバス停付近でいったん降りる。ジョーは車酔い。介抱するベリー。トミーはるいを誘って砂浜に。ジョーが震災孤児であること、間もなくコンテストが開催されること、ジョーが不参加を表明していることなどを話す。そして、ジョーが出ないなら自分も出ないと告げる。

元気を取り戻したジョーとるいを残し、トミーはベリーを連れ出す。そして、あの二人は共鳴しているんだ、ジョーの気持ちを変えられるのはサッチモちゃんだけ、お前は諦めろ、と引導を渡す。そして、オレと共鳴しないか? と誘うトミーに、私をハントするなんて100万年早いと言い置いて、トミーを残し、一人自動車で走り去ってしまう。

ジョーはコンテストに出ることを決意。そしてるいに言う。もしコンテストで優勝したら、一緒に東京に来てくれる? と。

今日の竹村劇場(観客:西山、山崎)

「『サッチモちゃん、頼みがあるんや』」
「『なに? どないしたんですかトミーさん。わざわざこんなところまで来て』」
「『実はベリーがオレのことを好きらしいんや』」
「『えー!?』」
「なんやのそのトミーとかベリーとか、けったいな名で呼び合うねんな、近頃の子は」
「ほんでほんで」
「『そやけどオレは、女ははべらすもんで、付き合うもんとは思うてへん』」
「なんや腹立つ男やな、トミー」
「またええ男やから、よけいに」
「ええからええから、続き続き」
「『ベリーがドライブデート行きたいと言うてんねんけど、オレは気ィ進まへん。サッチモちゃん、一緒に行ってくれへんか』と、こうや」
「るいちゃんは、『仕事中やし困ります』言うとったけどな、こいつがええから、行け行け言うて」
「そうかて、あんなすごい自動車でドライブなんか、なかなかできへんねんから」
「『るいちゃんが行かへんのやったらおばちゃんが行くー』」
「困っとったな、ジミー」
「トミーや」

今日のジョーとるい(その1)

「なに見てたん?」
「海、です」

今日のジョーとるい(その2)

「お母さんの顔が浮かんでる?」
「大月さんこそ、トランペットが聞こえてますか?」

今日のベリーとトミー(その1)

「私はあんたに利用されただけってこと?」
「悪いなあ、これも日本のジャズの未来のためや」

今日のベリーとトミー(その2)

「ジョーが世界に認められるトランペッターになったら、私の勝ちや」

雑感

ジョーがコンテストに出ない理由

傷つくのが怖いから、という説が定着しているように見受けられるが、それは小暮さんの想像であり、小暮からその説を聴いたトミーがそう思い込んでいるだけで、ジョー自身は理由を語っていない。

スポーツは、スポーツをするということが試合をする、つまり勝ち負けをつけるということだ。しかし音楽は、演者が自分の理想の音を追いかけ、聴く人は自分の好きな音を出してくれる演者の演奏を聴くものであり、優劣を競うのは本質的ではない。「のだめカンタービレ」や「ピアノの森」でさんざん語られてきたことだが、コンテストでいい成績を収めるには「コンテスト用の演奏」をしなければならない。それを嫌う音楽家はいると思うのだ。

若手が世に認められるためにはコンテストは有力な登龍門であるだろうし、プロになれば集客やらレコードの売上げやらで絶えず競争にさらされるので、本当にそれが厭ならプロを諦めるしかないだろうが、出ないで済むならコンテストなんか出たくない、と思っているミュージシャンは一定数いるのではないかと思うがどうだろう。

トミーの思惑

ベリーはもちろんジョーのことが好きで、るいもジョーに惹かれているが、今日のドライブデートを見ていて、ジョーのことを誰よりも好きなのはトミーなんじゃないかと思えてきた。昨日も書いたが、トミーは、ジョーが出ないなら出ないで、気にせず、我が道を行けばいいのだ。むしろライバルが減って有利なはずだ。が、トミーは、ジョーに出演してほしいと思っている。

けれども、自分やベリーがいくら言ってもジョーの考えを変えることはできない。変えられるのはサッチモちゃんだけ。だからサッチモちゃんを誘い出すためにベリーを出しに使った。ついでに言えばトミー自身も出しなのだ。るいは、特に何かをしたり言ったりしたわけではないが、るいと話をするうちに、ジョーの気持ちは変わっていった。トミーの計算通りだ。トミーはジョーのことが好き過ぎて、性格もわかっているから、こういう手が打てたのだ。

彼らはいかにして帰って来たか

ベリーがトミーの自動車に一人で乗って走り出していったあと、どうしたのかが気になる。普通に考えたら、少しそこいらをぐるっと回ったあと、戻ってきただろう。しかし、仮に戻ってこなくても、一応バス停があったから、バスと電車を乗り継いで帰ってくることはできるはず。もっとも、バスがどのくらいの間隔で走っているかわからないし、それだけの交通費をジョーやるいが持っていたかはわからない。まあトミーが一緒だからそこはなんとかなるか……

その他

  • 「旭海岸」は架空の地名だが、詳しい人によると、ロケ地は淡路島の吹上浜だそうである。地図を見ると、ここは内海ではあるが、太平洋に面している。当初大阪の人がドライブで海を見に行ったとなると、神戸か明石あたりかと思って、ジョーとるいが海を見ながらアメリカに思いを馳せるシーンで、いやそこに見えるのは紀伊半島か淡路島(か四国)でないのかい、と思っていたが、ちゃんとアメリカまでつながっていた。

(2022/01/14 記)