窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(54):コンテスト

第12週「1963-1964」(火)

放送日

  • 2022年1月18日

登場人物

概要

コンテストが始まり、各人の演奏が始まる。楽屋ではみな落ち着きなく過ごしているが、ジョーは衣装も着ていない。

るいは必死にシャツを洗い、アイロンをかける。ようやくできあがったシャツを持って、慌ててNight & Dayへ駆けつける。この日のために、一張羅のワンピースを平助が洗っておいてくれたが、着替えている余裕などない。

竹村夫妻は、若大将シリーズの映画を見に行ったのだが、チケットが完売で入場できなかった。仕方がなくモモケンの映画を見ることにする。

演奏者がみな、それぞれの曲を披露する。トミーが終わり、ジョーの番だ。間一髪、着替えは間に合った。演目はもちろんサニーサイド。るいは会場の隅からそれをうかがう。

結果、審査員の票がトミーとジョーに二分された。そこでもう一曲、二人で競演することになった。

竹村夫妻はモモケン映画を観劇。ストーリーは陳腐だが、実はこの作品、クライマックスのアクションシーンは、とても素晴らしいのだ。手に汗を握る展開。

そこに、ジョーとトミーの演奏する曲がかぶる。二人は見事な共演を果たした。結果は明日。

雑感

ジョーとトミーの演じる曲を、竹村夫妻の見る映画の劇伴として使った発想に敬服。今回はそれがすべてと言ってもいいだろう。まあ、見事に合っていた。

チャンバラシーンは、お互いに相手を殺そうとしているわけだが、それを見ごたえのあるアクションとするためには、互いに協力し、息の合った演技をしなければいけない。これはジョーとトミーの演奏も、二人は競争をしているが、一緒に協力してひとつの曲を作り上げなければいけない点で、同じだと言えるのではないか。そういう相似形もあった。結果、二人は演奏しながら互いに刺激を与えあい、どんどん高みに昇って行ったように見える。終了後、二人が握手するシーンはよかった。

映画は、世紀の駄作と言われたが、ジョーはモモケンのセリフに自信を取り戻し、竹村夫妻は剣闘シーンを楽しんだようだ。世間の評判が悪くても、自分にとっては面白い、刺さる作品である、ということも、またいくらでもある。個人の評価は世間の評価とは別なのだ。ということもさりげなく描かれていてよかった。

せっかく若大将を見に来たのに、チケット完売で入れなかったことに文句を言う和子だが、平助から、史上最低の駄作と言われたら、逆にどんなものか見てみたいやないか、と言われ、それもそやな、と笑うところもよかった。この二人、これまで様々な苦労があっただろうが、どんなにつらいことがあっても、「それもそやな」と気持ちを切り替えて前に進んできたんだろうな。このシーンも何気によかった。
(2022/01/19 記)


映画ランキング