窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(56):ジョーの上京

第12週「1963-1964」(木)

放送日

概要

ジョーの回想――

定一に名を訊かれ「じょういちろう」と答えたが、名字も、漢字も、覚えていなかった。定一はサニーサイドを歌い出し、ジョーはビール瓶のペットで参加。二人の初セッションだった。

その後、定一はジョーの戸籍を作ってやり、Dippermonthへの出入りも許し、ジョーはいろいろな雑用をこなしながら、バンドの人にトランペットを教わり、巡業に付いて行ったりした。ちょうど大阪まで来た時に、定一の訃報を聞く。定一は Night & Day の先代の支配人に、自分に何かあった時はジョーを頼むと言ってくれていて、以来、ここに……と。

突如、ジョーはさっちもちゃんと呼ぶのをやめ、るい、と呼び掛ける。エモい。るいにも、大月さんと呼ぶのはやめるように言う。だってるいも大月さんになるんだから。

さて、東京でジョーは笹プロ社長の家に居候することになった。広い部屋の真ん中にグランドピアノが置かれている。ソファーやお茶を飲むテーブルもある。ジョーがさっそくトランペットを吹き始めると、奈々が即興でピアノの伴奏をする。このピアノ演奏がなかなかいい!

一ヵ月経過。るいは Night & Day で一人、コーヒー? を飲む。ジョーに手紙は出していない。社長の個人宅に住んでいるから、気遣って。それを聞いたベリーは「あほちゃうか!」とるいを怒鳴る。一ヵ月も会っていない、手紙も出していない。東京がどんなところかわかっているのか? 小奇麗な女がぎょうさんいる、ジョーを狙う女はいくらでもわいてくる、と注意を促すが、るいはジョーを信じているので気にしていない。

が、ジョーに異変が起きつつあった。トランペットの音が出ない……

クリスマスが近づいたある日、クリーニング店にトミーがやってきて、るいに、何か聞いているか? と尋ねる。そして、クリスマスのジョーのデビューコンサートが延期になったと告げる。

雑感

定一

定一とジョーの関係は、ほぼほぼ想像通りだったが、戸籍を作ってあげたとは。というか、そういうことをしてあげないといけなかったんだなああの頃は。戸籍によれば、ジョーの誕生日は昭和15年12月25日。生年は適当で月日は記念すべきクリスマスに、ということだろう。

あの日、定一のうしろにも人がいた。何人もの戦災孤児がねぐらにしていたのだろう。彼らは定一やジョーを見て何を思っただろうか。

ところで、定一が死んだということは、38回の健一帰還のシーンの解釈は変わるのだろうか。定一の死因は恐らく酒の飲み過ぎだろう。この頃には既に身体はガタガタだったと考えられる。もしかしたら、金太の時と同様、この健一は定一の頭の中にだけ存在したのだろうか? せっかく帰って来たのに、セリフもなく、その後のエピソードが何もなかったのは確かに気になっていた。健一は生きていると思うのだが……

奈々

コンテストでジョーの演奏に惚れ込んだ模様だが、早くもなれなれしく「ジョー」と呼び、「お嬢さん」と呼び掛けるジョーに「奈々と呼んでください」と言うなど、急接近しているのが気になる。おまけにピアノの腕は抜群で、ジョーの作曲した曲にも初見でジャストフィットなピアノを合わせた。共鳴している……?

るい

「去る者日々に疎し」という。長距離恋愛の鉄則は、頻繁に連絡を取ること。信じているとか、信じていないとかの問題ではない。個人宅だから遠慮したというが、婚約までしているのだから、堂々と連絡を取ればいいのだ。

ベリーは「この店の客全部が私レベルのルックスだということ」と喩えたが、ベリーだったら何人いても心配ないのだが、しかしベリーのいうことには同意する。手紙を書き、会いにいかなきゃダメだよ! ジョーはトランペット以外は何もできない人間なんだから、ジョーからの連絡を待っているだけじゃダメだよ!
(2022/01/23 記)


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