窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(77):往年の大女優 (2)

第16週「1983」(金)

放送日

  • 2022年2月18日

概要

条映太秦映画村でアルバイトとして働くことになったひなたは、幼いころから見ていた「棗黍之丞シリーズ」にレギュラー出演していた美咲すみれと出会います。憧れの女優に出会って舞い上がっていたひなたでしたが、出演をオファーした映画村職員の榊原に不機嫌そうに接するすみれを見てちょっとがっかり。しかし、すみれがお芝居に真剣に取り組む様子を観たひなたには感じるものがあって……。(NHKオンデマンドの解説より)

すみれは、武家の娘が生け花はいかしいお茶の方がいい、とか、手代と娘は恋仲とした方がいいとか、周囲の都合も忖度せず、わがままの言い放題。そのくせ演技はいまいちどころかいまにくらい。周囲はため息をつくが、監督はすみれが黍之丞シリーズにレギュラー出演していた時に助監督だったため、強く言えない。

そんなすみれを見てひなたは、少しでもお芝居をよくしようとして熱心なんだなあと考え、自分も大いに協力しようと、お茶の所作がおかしいですよとひなたに声をかけ、満場を凍りつかせてしまう……

雑感

今回は安達祐実の大根っぷりにすべてを持って行かれた。

自分にとっても憧れの女優であり、また監督をはじめ周囲の人が言いたいこともなかなか言えずに精一体気を遣っている中で、ずけずけとすみれに物が言えるひなたはある意味大物だが、社会人としてはあまりに無神経だと思ってしまう。立場が上の人に注意する時は気を遣うというより、普通は臆して言えないものだ。仮に直接話すにしても、周囲に人のいないところで言わないと、本人の体面を傷つけてしまう。

ということを語ってみたところで、高校生のアルバイトのひなたにはわからなくても致し方ない。あそこですみれに口を利くことを許した榊原のミスだろう。「急がないと間に合わない」という言葉に耳を貸さず、「用があるなら僕が伝える」と言うべきだった。

ひなたはど素人だから仕方ないと思うが、そのあとの五十嵐の立ち回りは、彼が大部屋とはいえプロの俳優であることを考えると、あり得ないとしか思えないが、ひなたと通じ合うところがあったようで、ドラマ的にはよかったね、というところであろうか。



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