窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(96):ひなたの知らない母

第20週「1993-1994」(木)

放送日

  • 2022年3月17日

登場人物

概要

家族を連れて岡山の雉真家に帰ったるいは、いなくなる直前の母の様子を雪衣から聞き、ますます疑問を深めます。その夜、ひなたは部屋の片隅に家族写真が飾られているのを発見。写真を通して初めて祖父や祖母の姿を見て、家族の歴史に思いをはせるのでした。数日後、錠一郎はるいを連れてある場所に向かうのですが……。(NHKオンデマンドの解説より)

定一の経営していたDippermouth Bluesは潰れてしまったが、岡山に同じ名前の喫茶店があると聞いて、ジョーとるいがそこを訪ねると、なんと健一が孫と一緒に経営していた。るいは、安子と稔のデートの様子を健一から聞くのだった。

雑感(昨日への追記)

本日判明したことを追記をしておく。

通帳は、算太が戦争から復員してからお金を貯めていた(恐らくはたちばなの再興資金として)ことが示していたが、そのお金が貯まったままなのか、引き出されてなくなっていたかは言及されないまま。丸ごと残っていたと解釈した視聴者もいたようだが、それだと話の辻褄が合わない。現在の残高はゼロだが、この通帳は、かつてお金を貯めていたことと、その金額を示すため。そして、安子の係累が京都にいることを知った日から、このお金を返すべく、少しずつ貯めていた、それが新しい方の通帳という意味だろう。

これで正解。かつて、コツコツ貯めたお金が引き出され、その後、るいが京都にいることを知った時から再び貯められているのを見て、当時起きたことと算太が何をしたかったのかを、ジョーが見抜いた。

四十九日を過ぎてもずっと納骨しなかった理由はわからないが、るいが過去と向き合う決意をするまでにそれだけの時間が必要だったということか。あるいは、ひなたが休みを取れるのが夏しかなかったからかも知れない。桃太郎が甲子園に出たら、それどころじゃなくなるはずなんだけど、その時はその時だったかな。

真相は不明だが、twitterで、夏まで桃太郎の時間が取れなかったのだろうと推測している人がいた。それが一番正しいように思う。野球部の強豪校のレギュラーなら、元旦以外は休めないだろう。しかし三年の夏は負けたら引退。ようやく家族とゆっくり過ごす時間ができたということではないか。ひなただっていつでも休めるわけではないだろうが、有給休暇のある社会人の方が融通は付くだろう。

るいは雉真家と絶縁していたのか、連絡くらいは取っていたのか謎だったが、橘家の墓を勇と雪衣が守ってくれていたことを知っていたから、るいの連絡先は雉真の人は知っていて、たまに連絡が来ていたのだろう。

これは間違い。連絡先を一切知らせていなかったことが、勇の口から語られた。雉真の力をもってすれば探し当てることもできただろうが、雉真にも、岡山にも、二度と戻ってくる気がるいにないことを勇はわかっていて、そっとしておいたようだ。今回、岡山に帰りたい旨を(最初は手紙で)勇に伝え、何度かやり取りを繰り返す中で、お墓のことなども聞いたのではないか。

雑感

ひなたは、その名の通り明るい子だが、ちょっとアホの子で、配慮に欠けるところがある。それなりに思慮深かった安子やるいとは対照的であるが、今回はその能力を遺憾なく発揮。茶の間を写真を見て「これ誰? おじいちゃん? じゃあおばあちゃんは?」と言って強引に安子の写真を出させたり、「おばあちゃんって、生きているの? 死んでいるの?」と聞いたり。地雷を踏み抜きそうで視聴者はハラハラするが、るいも周囲の人も遠慮したり忖度したりしてなかなか核心に斬り込んでくれないから、ひなたがいないと話が進まないのだ。この時のための性格設定だったのか?

るいにとっては母の謎は解けないままだが、ひなたや桃太郎は、初めて自分の祖父母の存在を知り、写真を見ることができた。曽祖父母の写真も。

健一の復員は定一の見た夢ではなかった。よかった。前野朋哉が演じてろくなセリフもないまま退場のわけがないから、必ず再登場すると思っていたが、再登場した健一は別人(世良公則)が演じ、自身はその孫(慎一)を演じることになるとは思わなかった。

健一の口から安子と稔のことが語られたのはよかった。しかし、彼もロバートのことは知らない。世間では安子ちゃんが子供を捨てたという人もいるが、安子ちゃんはそんな人じゃない、と言うが、真相は不明なまま。

もともと大月家はどのくらい滞在するつもりだったのかはわからない。勇は、今年は兄さんの、そしてあの戦争で亡くなった多くの人の五十回忌だ、できれば終戦日まで滞在してほしいと言われ、予定を延ばすことにした模様である。算太の納骨の様子については語られず。

慎一が「ひいじいちゃん(定一)のために」といって買ってきたおはぎは、包装紙に「和菓子司 たちばな」と書かれていた……



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