窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(107):

第22週「2001-2003」(金)

放送日

  • 2022年4月1日

概要

雪衣が入院したことを知り、るいは岡山の病院へ。そばで勇が見守るなか、雪衣は安子に対して長年抱き続けてきた思いを初めて吐露します。ますます母への思いを強めるるいの様子を見て、錠一郎は「クリスマス・ジャズ・フェスティバル」のステージ出演を提案し……(NHKオンデマンドの解説より)

再来日したアニーがひなたに前回もらったお菓子(大月の回転焼き)がおいしかったと謝意を述べると、ひなたは秘密があるといって、あんこのおまじないを教える。が、アニーはひどく動揺し、話の途中で裸足で駆け出してしまう。

今日のるいと雪衣

「自分を責めんといてください。誰でも間違うんです」

今日の勇と雪衣

「雪衣、ありがとうよ、わしの嫁さんになってくれて」

雑感

今日はアニーの件もあったけど、ほぼ雪衣の最後のみ。

雪衣は家族の縁が薄く、雉真に来た時はみなを家族と思って尽くした。が、安子さんが戻ってきてからは、あくまで雉真の嫁は安子なんだと。勇もなんであんなに親しそうに話をしているのかと思うと、どす黒い気持ちがわいてきた……という。家族の縁が薄かったのは知らなかったが(今も、家族の縁は薄そうだが)、まあ、ほぼほぼ予想通り。「安子さんは自分で育てるのを諦め、雉真に返すつもりなんだと思います」とるいに言ってしまったことをずっと後悔していた、と。

正直なところ、雪衣のあの言葉でるいの中に「自分が母親から見捨てられる?」という疑念がわいたのであり、だからロバートとハグしているシーンを見てのあのセリフ、そして母子の別れにつながってしまったわけで、今さらわびても許されるものではない、というのが正直なところ。

もっとも、社会情勢や当時の世間の常識が一番の問題であったのが大前提である。戦争がなければ稔が死ぬこともなかったし、若くして未亡人になった嫁は、別の人に改めて嫁ぐか、故人に兄弟がいればその人と再婚するのが普通だった。安子の場合はどちらも拒否したから、単身で雉真を出るしかなかった。安子にとっては苦渋の決断だが、その事情を当時のるいに理解しろといっても無理な相談だろう。

そもそもあの頃の雪衣は、勇を落とすのにも手練手管を弄していた。目的に向かって一直線、いっそさわやかですらあった。それを悔いていたとは意外だが、本当に安子がいなくなり、るいから笑顔が消えて、自分がしでかしたことの大きさに気づかされたといったところであろうか。

その話を聞いてなお、勇は雪衣に礼を言い、それから死ぬまで毎朝一緒に朝ドラを見た。雪衣は、最後の最後にやっと穏やかなしあわせを手に入れた。彼らが見ていた朝ドラは「てるてる家族」、主演は石原さとみ。2003年12月15日、「見上げてごらん夜の星を」が取り上げられた日の夜、雪衣は旅立った。



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