第02週「別れの沖縄そば」(火)
放送日
- 2022年4月19日
登場人物
- 肥後克広(親方)
- 吉田日向(島袋孝志)
概要
運動会の日が近づいてきた。ひとりの働きで一家を支える比嘉優子だったが、運動会に向けて新しい体操着やズック靴を買い与えるのは難しい。暢子たち四人の兄妹はそんな母をそれぞれに家事手伝いで支えるが、張り詰めた暮らしを続けるのは大変だ。一家それぞれの、今の思いをのせて、運動会が始まる。足の速い暢子は今年も一等賞を取るべく走り出した。(NHKオンデマンドの解説より)
島袋は(手下二人と三人で)比嘉四兄弟を貧乏人、ボロ兄弟と笑う。見返すために運動会で一等賞を取りたい、そのために賢秀は新しいズック靴がほしい、良子は体操服がほしい。
工事現場で、腰を痛めた作人に代わって優子が現場仕事をすることに。収入は一日1ドルに増えたが、とても運動靴と体操服は買えない。親方にもっと金になる仕事はないかと相談するが、あれば皆やっていると一蹴される。それでも運動会前日には親方が3ドル払ってくれた。それで運動靴と体操服を買い、賢秀はそれをアベベに見せるが(アベベにあやかって運動会での成績を祈願した?)、そのまま置き忘れ、翌朝には靴も服もズタボロに。優子は慌てて服を洗濯するが、良子は運動会を休むと言い出す。
歌子(3年生)は最下位返上のため、智に走りの指導をお願いし毎日練習した。が、当日はやはり最下位。お母さんを喜ばせようと頑張ったのに、としょげる歌子に、智が手作りのメダルを首にかける。
毎年一位の暢子は、5年連続の一位を狙うが、走っている途中で靴が破れ、転んでしまい、最下位に……
今日の智と歌子
「おれにとっては歌子が一等賞」
雑感
いい部分もあった。運動が苦手な歌子が、母のためにかけっこを頑張る決意をすること。その指導を、にいにいではなく智にお願いすること。智による歌子の表彰(これを見て、歌子がなぜ賢秀ではなく智に頼んだかよーくわかった。智はいい奴だ)。
また、前田が、店に来ては体操服を手に取り、見つめる良子を見て、欲しがっているのはみえみえで、でもこの家の買えない事情も知っていて、プレゼントすると良子に言うが、良子が拒否するシーン。子どもにだってプライドはある。物乞いではないから、無料であげることが喜ばせることにはならないのだ。
こういうシーンはいいと思うが、それを帳消しにするくらい、気になることがある。
まず島袋の存在がよくわからない。昔も今もいじめはあっただろうし、貧乏もいじめのネタになっただろう。そういうことを風景として出したいということなのか。しかし、運動神経のいい賢秀と、親友の智は相撲の横綱を争う間柄。こいつらに喧嘩をふっかけたら自分がボコボコにされるだけだと思うが……(賢秀は手を出すのを我慢するが、歌子とほぼ同世代(少し年下)の自分の小学生時代は、取っ組み合いの喧嘩など日常茶飯事だった)。父親を亡くしたばかりなことはみんな知っているわけで、周囲が(智以外)誰も注意しないのも解せない。さらに、運動会当日、教師も父兄も大勢いる中で悪口雑言を繰り返すのも理解しがたい。
島袋家はこの山原村のドン的存在であり、教師も他の父兄も、彼に逆らえない、とかの事情があるのではないかと推理した人がいたが、そうでもなければ考えにくい話だ。
また、優子は、いい人なのであろうが、知恵も、行動力も、かなり欠けていることが露出してきた。
頑張って力仕事をし、収入を少し増やしたのは偉いが、増えた収入は借金返済に回すか、貯えに回すか、食費に回すか、いずれにしても運動靴と体操服に回すものではないだろう。そういう、目先のことで頭が一杯になってしまい、あるだけのお金を使ってしまうのが、賢吉が心配するところなわけよ。毎月決められた返済額が守られているのなら、誰も何も言わないわけよ。
子どもに苦労をかけたくない気持ちはわからないでもないが、かけないわけにはいかないのだから。何でも自分で抱え込むのはやさしさでもなんでもない。
まあ、これまで賢三に守られて、優子自身、あまり苦労せずに過ごしてきたのだろう。突然、お金のことも、育児のことも、すべてを背負うことになってしまって、何をどうしていいのかわからない、という状態なのだろうと思うが……
その他
- 優子が「もっとお金になる仕事があったら」と言い出した時、私は心が汚れているので、ある仕事を連想したのだが、親方が間髪を入れず「あればみんなやってるさあ」と答えてくれてほっとした。いずれにしても山原ではそういうお金を調達できる人がいないだろう。
- 前田早苗(善一の娘)の名前がクレジットされているのだが、どこに出てきたのかなあ。子役、とあるから今後も登場する重要な役柄なのだと思うが。セリフのひとつくらいしゃべらせてあげてほしい。