第02週「別れの沖縄そば」(木)
放送日
- 2022年4月21日
概要
運動会が終わり、比嘉家の家族は史彦や和彦たちと気持ちよく暮らしを再開したが、仕事が少ない地域事情もあり、母・優子ひとりだけでは一家の経済は先細い。暢子たちが心配するなか、優子の体は疲労がたまってしまう。そこに、遠い親戚から一通の手紙が。その中身は、思ってもみなかった申し出であり、優子は大きな悩みを抱えることになってしまう。(NHKオンデマンドの解説より)
前回、優子に届いた手紙は、東京に住む賢三のおばからで、賢三の死を知り、窮状を察して、四人の子のうち一人を引き取ってもいいと言ってきたのだ。賢吉は、一人でもいなくなればそれだけ楽になるだろうとすっかり乗り気。しかし優子は子どもを手放したくない。
子どもらはそれぞれ和彦に東京のことを尋ね、自分なりの夢を膨らませ、自分が東京に行くと言い張る。が、いよいよ誰が東京に行くかを決めなければならなくなると、賢秀は「豚の世話がある」、良子は「生徒会役員の仕事がある」などと言って厭がる。そんな中、暢子が「うちが行く」と立候補する……
雑感
優子は「このままでは子どもを手放すことになる」と思い、土方仕事を頑張ろうとするが、男に混じって女が一人前に働けるわけではなく、親方には「他の仕事を探せ」と言われる始末。だから「誰にするか決めろ」と言われても決められない。さりとて「こうすればやっていける」と絵を描くわけでもない。ただ申し訳なさそうに賢吉や善三の顔を見るだけ。賢吉が怒りたくなる気持ちもわかるよ……。
さて、比嘉家のことは措き、途中で青柳史彦が暢子の教室で民俗学について話をするシーンがあった。総合的にはなかなかいい話をしており、ネットでも「感動した」とか「この言葉を私自身心に刻んでいきます」といった声を見た。勘当した人に水を差すつもりはなく、その人はその人で結構だと思うけど、僕は感心しなかった。もっと正直に言えば、すごーくくだらないと思った。
「この村に生まれたことを、みんな、いつか誇りに思ってほしい」という言葉に耳を疑ったのである。前週、暢子に話しかけた時も似たようなことを言っていて、おやと訝しんだのだが、繰り返されたからには、単なる言葉の綾ではない。青柳先生は、こんなど田舎に住む人は、ここに生まれたことを卑下しているだろう、こんなところに生まれなければよかったと思っているのに違いない、という考えが前提にあるのだ。今既に、誇りに思っている人がたくさんいるとは思っていないのだ。
冒頭で「私は、ここはとてもいいところだと思いました」と言うと、クラスのみんなが笑顔になる。どこがよかったのかな、と思うが、最後まで「ここがいいと思いました」とは具体的に言わなかった。本心では、別にいいとは思っていないのだろう。
これまで何度も史彦の人間性について、おや、と思う場面があったが、印象は間違っていなかった。要は青柳先生は、そういう人なんだ。