窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」(12)「窓」

題名

放送日

  • 2022年7月21日

雑感

SNSに嵌まる女を延々と描写し、いったい何の話だろうと思ったが、途中でどの話かわかり、これはよい改変だと思った。インフルエンサーになるためならば、なんでもする、というのは、今の世でこそ説得力があるからだ。

ただし主人公は、テレビもチラチラ見てはいるが、テレビに嵌まっているわけではなく、テレビタレントになることを熱望しているわけでもない。それなのに悪魔が「テレビ亡者を収容する部屋」と原作通りのセリフを言うのは不自然だ。彼女が他の犠牲者を発見するのも、彼女の姿が見られるのも、テレビを通じてというのも辻褄が合わない。せっかく前半を改変したのだから、動画サイトを見ていて……というようにすればよかったのに。

リリー・フランキーはこういう役がうまい。ニコニコ笑って人のいいおじさん、と思わせておいて、同じように笑いながら顔が冷酷で残忍な表情になる、という演技は、余人をもって代えがたし、ではないだろうか。
(2022-08-27 記)


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