題名
- 「鎌倉殿の13人」第36話「武士の鑑」
放送日
- 2022年9月18日
今日の退場者
- 畠山重忠
- 畠山重保
- 稲毛重成
概要
深まる北条時政と畠山重忠との対立。りくを信じる時政は、源実朝の下文を得て御家人を招集。三浦義村、和田義盛、稲毛重成らが集い対応を協議する。一方、手勢を率いて鎌倉を目指す重忠。板挟みとなった義時は、政子、時房らと事態の収拾を図る。そんな中、父・義時を心配する泰時は……。(NHKオンデマンドの解説より)
雑感
出だしからギャグが入り、笑える箇所があちこちにあったが、今年の大河ドラマ最大の鬱回でもあった。なにしろ、坂東武者の中で、最も見目麗しく、最も文武にすぐれ、最も人格者であった畠山重忠が追い詰められていくのだから。
「戦など、誰がしたいと思うかっ!」と叫んだ中川大志の鬼気迫る演技は、本ドラマの見せ場シーンを3箇所選んだとしたら、確実に入るであろう名シーンだった。
ただし、合戦のシーンはいただけない。これは本作がということではなく、大河ドラマを見ていていつも思うことだが、兵たちは、弓を持っているのになぜ矢をつがえぬ? 槍を持っているのになぜ突かぬ? 馬上から刀を振り回したって誰にも届かない。
畠山は高台の上に陣を張った。下からわーっと攻めてくる北条側の大軍に対して上から矢を射かけたら、かなりの打撃を与えられたであろうが、突進してくるのを待っている。何のために高台に陣を張ったのか。
畠山重忠と北条義時の一騎打ちになったのも、ドラマツルギー的にいろいろ意図があったのだろうがこれでは合戦ではないし、文知派の義時が、武断派の際たる畠山重忠と、最後は負けたとはいえ互角に戦うのもおかしい。
後半はやりたい放題の時政(とりく)がついに御家人たちの怒りを買って失脚するところまで描かれた。畠山重忠が死んだのに畠山回にならなかったのもちょっとモヤモヤしている。