窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ハイキック・ガール!」(Amazon Prime)

題名ハイキック・ガール!
監督西冬彦
出演
武田梨奈(土屋圭)、高橋龍輝(中間亮介)、中達也(松村義明、松村空手道場)、神尾佑(山本師範代)、武田一馬(跳猿、壊し屋)、秋元才加(リカ、壊し屋二軍)、他
制作日本(2009年5月30日公開)
時間81分

粗筋

土屋圭は自分の腕に自信があり、男の空手マンと闘っても負けないのに、いつまでたっても黒帯がもらえないことに苛立ち、黒帯狩り(他流派の男子空手家に喧嘩を吹っかける)を始める。連戦連勝で物足りなさを覚えた圭は、次にプロの喧嘩集団である「壊し屋」の仲間に入ろうとする。

ところがこの「壊し屋」は、かつて圭の師である松村がSPを務めていた時にやられた経緯から、復讐のために松村を追っており、圭は人質にされた格好。呼び出しに応じてやってきた松村は、独りで壊し屋の集団に挑み、これを壊滅させる。

松村は圭に、空手は、戦いに勝つためのものではなく、大切な者を守り、生きて帰るためのもの」と教え、白帯からやり直させる。

雑感

武田梨奈の初主演作品。公開時17歳。

ワイヤーなし、CGなし、スタントなしが売り。まあ、いろいろとツッコミどころの多い作品ではあるが、喧嘩の場面はなかなか爽快感があった。

空手・喧嘩映画といえば「ボディガード牙」とか「新・空手バカ一代」とか「ワル」とかをいろいろ見たが、登場人物の空手や剣道の腕前が今ひとつで、非情に残念な作品ばかりだった。本作の武田梨奈はもちろん、その師匠役の中達也は役者ではなく、日本空手協会(JKA)総本部師範という本物の空手家。土屋圭のラフな喧嘩空手、松村のきれいな型通りの空手技は堪能できた。

たったひとつだけ言わせてもらうなら、武田梨奈のような華奢な女性が突いても蹴っても、大柄な体格の鍛えた男子には通じないだろうということ。黒帯狩りで、大学空手部の首相が上段回し蹴り一発でKOされるシーンがあったが、確かに蹴りは切れのある、腰の入ったいい蹴りなのだが、あれでは気絶どころかダウンも取れない。せめて後ろ回し蹴りで踵でこめかみを蹴れば、なんとかなったかも知れないけど……

金蹴りや目つぶしはえげつないとしても、人中(鼻の下)あるいはのどぶえを貫き手で突くとか、もう少しパワーの差を補う工夫があればもっと良かった。

秋元才加がどこにいるのかわからなかった。
(2023-03-01 記)


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