第08週「女冥利に尽きる?」(木)
放送日
- 2024年5月23日
概要
講演会で倒れてしまった寅子。雲野らは穂高から寅子の事情を聞き、今は子育てに専念する時だと寅子を諭す。よねの姿を追い、よねが働くカフェー「燈台」にやってきた寅子。カフェーの営業ができず、軍歌のレコードをかけて細々と営業を続けていた。妊娠を黙っていたことをわびる寅子に、よねは背を向ける。(NHKオンデマンドの解説より)
- 寅子は法律事務所に辞表を提出。また、穂高に手紙を書いてそのことを報告した
- 自宅で家事に専念。新聞も読まなくなった
- 寅子の家は、空襲に備えて道路を広げるため、地所を明け渡すことになった
- 優未(ゆみ)出産。
今日のよね
「ちょっと男どもに優しくされたらほっとしやがって」
「心配しなくても、女の弁護士は必ずまた生まれる。だから、こっちの道にはもう戻って来るな」
感想
寅子がなぜ辞表を出したのかが謎。穂高先生と雲野、岩居はいかにもデリカシーはないが、雲野先生は「休め」と言い、穂高も、既に弁護士資格は持っているのだから、戻ってくることはいつでもできると声をかけた。この時点では、出産・育児のために一時休業すべしだが、時期を見て復帰することを周囲は前提としていた。
むろん、一度レースを降りた人間が第一線に戻るのは現代においても簡単ではなく、まして職業婦人自体がほとんどいない当時、この男たちがどこまでそれをわかっているかは怪しい。とはいえ、逆切れして「じゃあ辞めます!」ということはないと思うのだが……
よねがなぜあんなに怒っていた理由もわからない。微妙な問題だけに、いろいろ考え、タイミングを見計らって話そうと思っていたのを勝手にバラされてしまった寅子の心境の方をこそ、よねは気遣うべきではなかったか。SNSでは、前日に「お前ひとりじゃない」と声をかけたのに、自分を一向に頼ってくれないことに失望していたのではという意見が多かったが、高等試験に合格してくれない以上、員数外に見られてしまうのはやむを得ないのではないか。
「燈台」でよねは「町のよろず法律相談」をやっていた。無資格者のよねがそれをやっていいのか。もともと「燈台」はいかがわしい店だから、この程度のことはたいした話ではないか。
神宮外苑で壮行会との報がラジオで流れた。ここに優三さん、ではなく、「いだてん」で仲野太賀の演じた小松勝がいたのだ。
(2024-06-09 記)