第15週「女房は山の神百石の位?」(月)
放送日
- 2024年7月8日
概要
昭和26年。視察のためにアメリカに行っていた寅子が帰国する。刺激を受けてますます張り切る寅子に、新しい時代の女性の代表として密着取材をさせて欲しいという雑誌の依頼が舞い込む。家族を巻き込んでの取材に笑顔で対応する花江を筆頭に、猪爪家の面々は様子がおかしい。(NHKオンデマンドの解説より)
感想
出世した(?)寅子は気持ちいいくらいにいい気になっていた。現代でも、「できる」父親の多くはこうではあるまいか。
何が悪いかと言うと、春から直明が働き始めたとはいえ、直明も入れて6人の家計を支えているのは寅子なのだから、仕事に励むのは当然だし、帰宅が遅くなることもあろう、休日出勤もするだろう、酔って帰ることもあるだろう、それは咎められない。仕事は頑張ってくれないと困る。ただ、この複合家庭の中で花江は主婦の立場ではあるが、優未の母ではない。父親のいない優未にとって寅子は唯一の親なのだから、もう少し子どものことを気にかけてほしいとは思う。
寅子はそれなりに気にかけてはいる。接する時間もある。ただ、「いい子にしてた?」「ちゃんと勉強してね」と、一方的に自分の要望を押し付けるだけで、優未が今何が好きで、何に興味を持っていて、何をしたいと思っているのか全く気にかけている様子がないのが、見ていてつらいのだと思う。
職業婦人である寅子を取材するのに家庭まで入り込む必要があるのかは疑問だが、ベテラン竹中記者は、張り切る寅子とは裏腹に猪爪家の不協和音を感じ取った様子だ……