窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「虎に翼」(084)

第17週「女の情に蛇が住む?」(木)

放送日

  • 2024年7月25日

概要

優未と稲に留守番を頼みライトハウスにやってきた寅子は、玉と涼子が正面から話し合えるように手を打つ。玉は自分がいるせいで、涼子が好きなことができないのではとずっと悩んでいた。涼子は母・寿子が亡くなる際に残した言葉を打ち明ける。(NHKオンデマンドの解説より)

82回で、優未に話しかけてくれたクラスメートは、先生から言われてそうしたことが判明。おしゃべりがはずまない優未に「仲良くしてくれないと先生に怒られちゃう」と漏らすクラスメート。「無理をしてもお互いに疲れるだけだよ。声をかけてくれてありがとう」と言って優未は離脱する。

今日の涼子と玉

「冗談はおよしになって。全く笑えませんことよ」
「私が中途半端に生き残ったばかりにこんなことに」
「おぞましいことをおっしゃらないで!」
「玉、私今とっても幸せよ。全て自分で決めて、人生を進んでいる。どんなに大変でも、玉と生きていくことが幸せなの」
「私はこれ以上お嬢さまの負担にはなりたくないんです。でも、お嬢さま、……I can't imagine life without you. Could you be my bosom friend?」
「You've always been my bosom friend, Tama

感想

玉は涼子の負担になっていることを気にしていたが、涼子も自分が玉を手放したくなくてそばに置いていることに引け目を感じていたわけか。

玉が突然英語で語りかけたのは、外国語の方が本音をストレートに言いやすい、ということもあるのだろうけど、日本語だとどうしても「お嬢さま」と言ってしまうが、英語ならyouでイケルということかなと思った。で、最初は(涙声で聞き取りにくかったが、字幕から)best friendと言っているのかと思ったら、bosom friendで、これは赤毛のアンに出て来る言葉なのだそうな。かつての朝ドラ「花子とアン」で吉高由里子がbosom friendを「親友? 心の友? うーん」と悩むシーンがあったそうだ。

そうすると、玉としては、かつて涼子と二人で「赤毛のアン」を読んだ時に心に残ったであろうbosom friendという言葉を使ってみたかったのだろうし、脚本家としては過去作へのオマージュが込められていたということか。花江が稲を強引に寅子家に送り込んだのは、前作で茨田りつ子が大野をスズ子のところへ送り込んだ事例を彷彿させるし、「気付く人は気付いてちょうだい」というシーンが他にもある気がする。

しかし、玉を引き取ってくれそうな施設を調べるまではよいとして、そのことを玉に断わりなく涼子に報告するなんて、寅子が妊娠したことを雲野に(よねにも)勝手にバラしてしまった穂高と同じ行為ではないか。あの時寅子は、もちろんそう遠くないうちに身籠ったことを事務所の人に報告するつもりだっただろうが、いつ、誰から、どういう言い方でとあれこれ考えていたはずだ。それをデリカシーなく公表されて追い詰められた。同じことをしたんだぞ。そもそも店の開店前って忙しいんだぞ。こんな大事な話を、アポも取らずにやってきて話し出すなんて非常識にもほどがあるぞ。



映画ランキング