第18週「七人の子は生すとも女に心許すな?」(金)
放送日
- 2024年8月2日
概要
判決後、涼子の店で偶然一緒になった寅子らと杉田たち。戦争で娘と孫を亡くした杉田。彼の「戦争を止めることはできなかった」という言葉をきっかけに、航一は戦争中に経験した「ある秘密」を語り始める。(NHKオンデマンドの解説より)
航一は以前、総力戦研究所に勤めていたという。そこでは米国と開戦した場合の綿密なシミュレーションを行ない、結果、敗戦するとの結論が出た。が、それを報告するも無視されて開戦。その結果は、さすがに原爆までは予想できなかったものの、それ以外はまさにシミュレーションした通りに進み、今日の事態を招いた。そして杉田も佐田も、大切な人を失うことになった。そのことについて、自分には何の責任もないとはどうしても思えないのだ、と航一は語った。
語り終えて嗚咽する航一に、寅子は、「航一さんが抱えているものを、私に分けてくれませんか」と語りかける。「寄り添って、一緒にもがきたい。少しでも楽になるなら」。
感想
寅子同様、総力戦研究所など初耳だが、調べてみると、1940~45年に内閣総理大臣直轄の研究所として確かに存在していた。そこには司法大臣として三淵乾太郎の名もある。
事前に膨大な人員とコストをかけて、シミュレーションという準備をしたこと、そこでは冷静に戦局を判断していたこと。それは意外であったが、さすがにそんなこともせず、あるいはできずに突っ走っていたわけではないとわかり、少し安心した。もっとも、政府としては活路を見出すためにそれらを命じたのであり、開戦自体は既に決定事項だったのだろう。
寅子が航一にかけた言葉は、航一を慰め、励ますための言葉ではあるが、聞きようによってはプロポーズの言葉だな。寅子にそんな意図がないのは視聴者にはわかるが、航一にはどう聞こえただろう?