窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

著者へのインタビュー

ほぼ日に森下佳子のインタビューが載っていた。読み応え十分な内容だ。

ありがとう『べらぼう』! 森下佳子さん 大質問会レポート

この中で一番印象的だったのは次のセリフ(第一回):

  • 森下 〔美術監修の〕松嶋先生が、製作のすごく初期のころに、「これはね、論文に書くような論拠がある話ではまったくないんだけど、ぼくは喜多川歌麿の絵の中に、すごく、女性に対する理解とか、女性っぽい感覚を感じるんだ」っていうことをおっしゃっていて。あの、私、若干、ちょっとその、腐ってるところがあるもので(笑)。
  • 司会 つまり、いわゆる腐女子成分が。
  • 森下 そうそうそう。
  • 一同 (笑)
  • 森下 だから、それを聞いて「えっ!」みたいな。「え、いまなんとおっしゃった?」みたいなところが、こう、ありまして。〔中略〕松嶋先生がさらにおっしゃるには、「蔦重も、歌麿も、あの時代の、あの環境に生きた人にしては、その蔦重も、あの歌麿も、女性の影がすごく少ないんだよね」って。
  • 一同 (どよめく)
  • 森下 もうどんどん私が腐っていくようなことをおっしゃるわけですよ。

第二回で、とても興味深いことを言っていた。葛飾北斎曲亭馬琴十返舎一九など、史実的には非常に重要だけれど、蔦重との関わりは薄く、ドラマの中では彼らを描く尺が取れない。そういうキャラクターに関しては強いイメージを持つ役者をキャスティングしていると。年齢に関係なく。

それと、ちょっとだけ登場する役には本職の役者には頼みにくいという。でも芸人だと、本業じゃないから、ちょろっと出るだけで楽しんでくれるようなところもあって、チョイ役で芸人が多くなると。twitterでは「本職の人だけでやってほしい」とか「どこぞからの圧力ではないか」とかいう意見も散見したが、意外な理由だ。

あと、第四回で糸井重里から、「蔦重はけっきょく誰にも惚れてないんじゃないか?」という質問が出ていたが、これもいい指摘だと思った。自分は、蔦重は裸の女を見ても興奮しないんじゃないかと思ったことがある。だから瀬川と一度だけ(恐らく)結ばれた時に、あ、できるんだ、と思ったんだけど、スタッフの中でも「蔦重が瀬川の胸の谷間を見た時にどういう態度を取るのか?」という論争があったそうで、目の付け所がずれていたわけではないんだな、と思った。

終わったあとで脚本家に訊くというのはとてもいい企画だと思うので、今後もぜひやってほしい。


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