面白かったけど……「シン・ゴジラ」

題名シン・ゴジラ
総監督・脚本庵野秀明
特技監督樋口真嗣
出演長谷川博己矢口蘭堂内閣官房副長官および巨災対事務局長)、市川実日子尾頭ヒロミ巨災対メンバー)、高橋一生(安田龍彦、巨災対メンバー)、石原さとみカヨコ・アン・パタースン、米国大統領特使)、竹野内豊赤坂秀樹内閣総理大臣補佐官)、高良健吾志村祐介内閣官房副長官秘書官)、大杉漣(大河内清次、内閣総理大臣)、柄本明(東竜太、内閣官房長官)、余貴美子(花森麗子、防衛大臣)、國村隼(財前正夫、統合幕僚長)、平泉成(里見祐介、農林水産大臣内閣総理大臣臨時代理)、松尾諭泉修一、保守第一党政調副会長)、岡本喜八(牧悟郎、ゴジラの研究者)、野村萬斎ゴジラモーションキャプチャー)、他
公式サイト映画『シン・ゴジラ』公式サイト
制作日本(2015年7月29日公開)
時間119分
劇場イオンシネマ新百合ヶ丘(スクリーン3/237席)

雑感

ここのところ仕事が忙しくてなかなか映画を観に行かれない。とはいえ、ブログに書いていないだけで月に数本程度は観てはいたのである。が、7月は一本も観られず、8月も一本も観られないことになりそうだなあと思っていた。

もし時間が取れたら観たい作品、というのは常に意識していたが、当初、優先度は低かった。理由はいろいろあるが、そのひとつの理由は、長谷川博己石原さとみ主演の特撮映画、ということから「進撃の巨人」を連想してしまい、問題外と思ってしまった、というのはある。

が、自分の周囲で「シン・ゴジラ」を観た人が、みな一様に、異様に興奮している。しかも、「少しでも喋るとネタバレになるから」とばかりに、何がどうすごかったのか(恐らくすごかったんだろうと思うが)語ってくれない。そもそも、そんなにみんな映画好きだったの? というくらい、観ている人が多い。どうやら空前の作品が日本に生まれたらしいことを肌で感じ、これは観に行かないと一生後悔すると、慌てて劇場へ駆けつけた。封切後一ヶ月経つのに、どこでもやっているのはありがたかった。それほどの人気作ということか。

さて、観終わっての感想。

面白かったですよ。十分面白かった。それは確かだ。この2ヶ月でたった一本しか観られなかったけど、その一本がこれで良かった、と思える程度にはいい作品だと思った。

しかし、そんなにみんながすごいすごいと言うほどすごい作品か? というと、疑問が残ったのも事実。なんとかいう漫画家が、こんな作品をいいなんていう人はレベルが低い的なことをSNSで発言し炎上しているという噂を聞いた。ジャンルは違えど同じエンターテイメント作家として、確かにその発言はどうかとは思うが、そう言いたくなる気持ちはわからなくはない、とも思った。派手な宣伝をしていたわけではないし、監督はマニアの間では神格化されているが一般に名を知られた人ではない。なんでこんなに社会現象化しているのか不思議だというのが正直なところ。

近年、でもないか、ここ20年ぐらいで僕の観たゴジラ映画というと、エメリッヒ版「GODZILLA」(1998年)とエドワーズ「GODZILLA ゴジラ」(2014年)のハリウッド作品である。それなりに面白かった一方、「コレジャナイ」感もつきまとった。日本で新作は作られないのかなあと思ったり、ちょうど1954年のシリーズ第一作のデジタルリマスター版が2014年に劇場公開されたのも観たが、あんな骨太の作品は、もう無理だろうなと思ったりしていた。

そんな中で、本作は見事にシリーズ第一作のスピリットを受け継いで現代に蘇らせてみせた。「こういうものが観たかった」と言いたくなる作品である。シリーズに最高作が加わったのだ。

しかしそれは、あくまで「ゴジラものに興味を持つ人たち」に対してであって、そういう人たちは決してそんなにたくさんいるわけではないと思うのだが。どの部分が「ゴジラものに興味を持つ人たち」以外の人たちの琴線に触れたのか。それとも、「ゴジラものに興味を持つ人たち」はごく一部の層だと思っていたが、そうではないのだろうか。*1

ひとつだけ強調しておく。長谷川博己石原さとみも格好良かったです。特に石原さとみ、色気があり過ぎて反則。
(2016/9/23 記)

*1:たとえば「踊る大捜査線」や「千と千尋の神隠し」、「アバター」や「スター・ウォーズ」が人気が出るのはわかるのだ。これらの作品は、好き嫌いは別にして、老若男女だれが観ても、取り敢えず面白いと思うと思う。でも「シン・ゴジラ」を面白いと思う人って、かなりマニアな人じゃないかと思うんだが。