窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくるまで待てない戦国大河ドラマ名場面スペシャル」(NHK)

大河ドラマは歴史が長いし、名作ぞろいだから、「名場面スペシャル」はすごく面白いものになる。テーマとか、特定の人物を演じた役者の共演は見どころ十分で興味深かった。

しかし、改めてみると戦国時代だけでもこんなに何度もやってたんだな、と思う。それはそれでいいのかも知れない。桶狭間を、川中島を、本能寺を、関ヶ原を、手を変え品を変え、何度も何度も演じていくというのは、ありなのかも知れない。毎年必ず「生まれて初めて大河ドラマを見る人」というのが必ずいるわけだし。

しかし、一般の人には知られていないけど日本史上で重要な役割を果たした人というのは、もっと大勢いるのではないか。そういう人に光を当てていくのも、大河ドラマの重要な役割ではないのか、とも思うのだ。

来年は渋沢栄一、再来年は北条義時だそうだから、そのあたりはわかっているのかも知れないが。


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(2020/1/18 記)

「この世界のさらにいくつもの片隅に」

面白く見た。長尺だったがあまり長さを感じさせなかった。

題名この世界のさらにいくつもの片隅に
監督片渕須直
原作こうの史代
出演のん(北條すず)、他
公式サイトこの世界の(さらにいくつもの)片隅に【映画】
制作日本(2019年12月20日公開)
時間168分
劇場テアトル新宿(劇場1)

雑感

  • この世界の片隅に」を見てからずいぶん時間も経っているため、差異についてははっきりとはわからなかった。リンさんのエピソードもちゃんと描いていたが、それ以外にも追加されたシーンは多々あるという。
  • 原作を読んでわからず、「この世界の片隅に」を見てわからず、実写のテレビドラマを見てわからず、今回改めて見てやっぱりわからなかったのは、周作がすずを哲に差し出すシーンだ。あの当時、死にに行く兵隊さんには、自分の女房であっても差し出す習慣があったのか? それともすずが哲を好きなんだと思い込んだ周作の暴走か? すずも周作に身体を触られて嫌がらないから、部屋へ入った段階でその意味を察し、ある程度覚悟を決めていたということか。なんでそこまでしたのか。どなたか、解説してくれないだろうか。

過去記事


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(2020/1/19 記)

「男はつらいよ お帰り寅さん」

事前情報から想像していたのとは違い、期待よりも良かった。

題名男はつらいよ お帰り寅さん
監督山田洋次
出演■登場歴あり/渥美清(車寅次郎)、倍賞千恵子(諏訪さくら)、前田吟(諏訪博)、吉岡秀隆(諏訪満男)、美保純(朱美)、佐藤蛾次郎(源公)、浅丘ルリ子(リリー)、後藤久美子(及川泉)、夏木マリ(原礼子、泉の母)、他
■初登場/桜田ひより(諏訪ユリ、満男の娘)、池脇千鶴(高野節子、編集者)、カンニング竹山(飯田、編集長)、出川哲朗(出版社社員)、北山雅康(カフェくるまや店長)、濱田マリ(満男がサイン会をした書店の客)、橋爪功(及川一男、泉の父)、笹野高史(御前様)、小林稔侍(窪田)、立川志らく噺家)、他
公式サイト新作映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』公式サイト|松竹映画『男はつらいよ』公式サイト| 松竹株式会社
制作日本(2019年12月27日公開)
時間116分
劇場イオンシネマ 港北NT(スクリーン5)

あらすじ

満男は泉ではなく別の女性と結婚し、娘をもうけていた。が、その妻は亡くなり、七回忌の法要のシーンから物語は始まる。満男はサラリーマンをやめ、小説家に転身している。泉はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)で勤務し外国暮らしを続けているが、仕事で日本に来た時に満男がサイン会をやっているのに気づき、……

雑感(ネタバレあり)

日本映画史上に残る偉大なるシリーズ作だから、ということと、山田洋次は現在88歳、あと何作撮れるか、もしかしたら遺作になるかも、と思うと、「見ないわけにはいかない」のだが、一方で不安もあった。CG合成の寅さんが出て来てあれこれ新しいセリフをしゃべったらイヤだなと……

しかしそれは杞憂であった。事前に盛んに「CG合成の寅さん」と騒いでいたのは、満男が「おじさん」のことを思い出した時に部屋にぼーっと映る姿のことだろう。それ以外の渥美清の出演シーンは、過去の作品からの切り抜き。過去作を知っている人にとっては、そうそう、こういうことがあったねえ、と(満男らとともに)懐かしく思い出せるわけで、それが本作の魅力のひとつ。

「おなじみ」の人たちの「その後」を知るのも興味のひとつ。さくらはメールを使いこなしている。朱美も源公も変わっていない。御前様は二代目になっている。リリーは元気だった。などなど……。ちなみに寅さんは、もう長いこと連絡がないが、一応生きていると思われているようだ。

メインストーリーは満男の話。ただしこちらはあまり面白い話ではない。妻を亡くして六年、思い出すのは泉ちゃん、というのも後ろ向きな話だが、既婚者の泉が満男と再会して満男の実家に行くところまではいいとして(家庭に恵まれなかった泉は、満男の家族がうらやましく、さくらや博を自分の親のように思ったこともあろう)、泊っていったり、自分の親に会うのに満男を同伴したりするのはやり過ぎ。キスをするに至っては、頭のネジが飛んでいるんじゃないか!? と。長年の寅さん映画のファン的には、満男と泉のラブシーンは絶対に見たいところなののかも知れないが。

今年20本目。これが最後だ。

その他

  • 泉は国連の人が日本で講演を行なうのに通訳として同行・来日したが、そのスピーチは最初フランス語か? と思ったがよくよく聞いたら英語だった。なんかフランス語っぽい発音だな、と思ったら、講演者はフランス人らしく、泉とはフランス語で会話をしていた。で、よくよく考えると、後藤久美子ジャン・アレジと結婚して現在はスイスに住んでいる。恐らくフランス語はペラペラなのであろう。ジャストフィットの役柄であった。
  • 後藤久美子が女優業に復帰するのは23年ぶり。これまではもう女優はやらないと言い、オファーを断わり続けていたそうだが、山田監督から「男はつらいよ」の新作に出演してほしい、と依頼された時、自分に断わる権利はないと思ったそうだ。


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(2020/1/18 記)

「決算! 忠臣蔵」

討ち入りのシーンも切腹のシーンも描かれない、そもそも吉良上野介が登場しない「忠臣蔵」。

題名決算! 忠臣蔵
監督・脚本中村義洋
原作山本博文「『忠臣蔵』の決算書」
出演赤穂藩堤真一大石内蔵助)、岡村隆史(矢頭長助、勘定方)、濱田岳大高源五)、妻夫木聡菅谷半之丞、軍師)、西村まさ彦(吉田忠左衛門足軽頭)、西川きよし(大野九郎兵衛、次席家老)、木村祐一原惣右衛門足軽頭)、寺脇康文(間瀬久太夫大目付)、鈴木福(大石主悦)、小松利昌(貝賀弥左衛門、蔵奉行)、沖田裕樹(三村次郎左衛門、台所役人)、大地康雄(奥野将監、番頭)、上島竜兵(早川惣介、大目付)、荒川良々堀部安兵衛)、橋本良亮(武林唯七)、横山裕不破数右衛門、牢人)、他
■浅野家/阿部サダヲ浅野内匠頭)、石原さとみ瑤泉院)、笹野高史(落合与左衛門)、他
大垣藩滝藤賢一(戸田采女正、藩主)、板尾創路(戸田権左衛門、家老)
■その他/千葉雄大(磯田武太夫介錯人)、竹内結子(大石りく)、桂文珍(祐海和尚、遠林寺住職)、堀部圭亮(長次、蕎麦屋)、村上ショージ(前田屋茂兵衛、塩問屋)、他
公式サイト映画『決算!忠臣蔵』公式サイト
制作日本(2019年11月22日公開)
時間125分
劇場イオンシネマ 港北NT(スクリーン11)

雑感

  • 期待に違わず抜群に面白かった。
  • 登場人物は多いが混乱せずに見られるのは、キャラができているからだ。やはり忠臣蔵は偉大だ。自分も細部に詳しいわけではないが、知っているだけで笑える箇所があちこちにあった。もっと知っていればもっと笑えただろう。しかし知らなくても十分面白い。
  • ことを成すには先立つものが必要だというお話で、コメディ仕立てではあるが、とても重要なメッセージでもある。大石内蔵助はこと細かに帳簿をつけていたからこういう話も作れるわけだね。帳簿大事。

「忠臣蔵」の決算書 ((新潮新書))

「忠臣蔵」の決算書 ((新潮新書))

  • 作者:山本博文
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/11/01
  • メディア: 新書
決算! 忠臣蔵(新潮文庫)

決算! 忠臣蔵(新潮文庫)


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(2020/1/17 記)

「アイネクライネナハトムジーク」

多部未華子が出るので見たかったが、なかなか見る機会がなかった。まだやっているところがあって良かった。タイトルは、最初は何の呪文かと思ったが、モーツァルトに「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」というセレナーデがあるようだ。

題名アイネクライネナハトムジーク
監督今泉力哉
原作伊坂幸太郎
音楽斉藤和義
出演三浦春馬(佐藤、会社員)、原田泰造(藤間、佐藤の上司)、矢本悠馬(織田一真、佐藤の学生時代の友人)、森絵梨佳(織田由美、一真の妻)、恒松祐里(織田美緒、一真の娘)、八木優希(亜美子、美緒のクラスメート)、萩原利久(久留米和人、美緒のクラスメート)、柳憂怜(久留米邦彦、和人の父)、濱田マリ(久留米マリ子、和人の母)、貫地谷しほり(美奈子、美容師)、MEGUMI(板橋香澄、美奈子の勤める美容院の常連)、成田瑛基(ウィンストン小野、香澄の弟)、中川翼(少年、ウィンストン小野に憧れる)、祷キララ(女子高生、少年の姉)、藤原季節(青年、成長した少年)、こだまたいち(斉藤、ストリートミュージシャン)、多部未華子(本間紗季、就職活動中)、他
公式サイト映画『アイネクライネナハトムジーク』公式サイト
制作日本(2019年9月20日公開)
時間119分
劇場渋谷アップリンク(スクリーン2)

概要

佐藤は広告代理店勤務のサラリーマン。ある日駅まで街頭アンケートに立っていたが、なかなか話を聞いてくれる人がいない。そんな中、リクルートスーツ姿の紗季がアンケートに協力してくれることになった。紗季の手に「シャンプー」とメモしてあるのに気付いた佐藤は、思わず「シャンプー」と口にし、それに気づいた紗季がほほ笑む。……

雑感

  • 短い話が次々に起きて終わっていく展開で、大きな起伏に欠ける。取っ散らかっていて何が軸なのかわからない話だった。原作は伊坂幸太郎の小説だというが、もしや短編集なのではあるまいな?
  • 美奈子と香澄がお茶をするシーンがあり、本当にそういうことがあるんだと驚き、妙に納得した(「きのう何食べた?」でケンジが常連客に誘われて飲みに行くシーンがあり、美容院は常連客が店の人を誘うことがあるのかと驚いたことがある。床屋では絶対にないと思う)。

配役

  • 森絵梨佳の演じる由美が、少々出来過ぎだが実によくできた女性で、初めて見る森絵梨佳にも交換を抱いた。本業はモデルのようだが、今後に期待。

アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)

アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)


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(2020/1/11 記)

「阿修羅のごとく」(DVD視聴)

若き日の八千草薫を見たいと思って借りてきた。1979年1月にNHKで放映されたテレビドラマのリメイク版。

題名阿修羅のごとく
監督森田芳光
原作向田邦子
脚本筒井ともみ
題字山藤章二
出演大竹しのぶ(三田村綱子、長女・華道の先生)、黒木瞳(里見巻子、次女・専業主婦)、深津絵里(竹沢滝子、三女・図書館司書)、深田恭子(陣内咲子、四女・ウエイトレス)、仲代達矢(竹沢恒太郎、四姉妹の父)、八千草薫(竹沢ふじ、四姉妹の母)、坂東三津五郎(枡川貞治、綱子の不倫相手・料理店経営)、小林薫(里見鷹男、巻子の夫・サラリーマン)、中村獅童(勝又静雄、滝子の交際相手・興信所の調査員)、RIKIYA〔現・川口力哉〕(陣内英光、咲子の夫・ボクサー)、桃井かおり(枡川豊子、貞治の妻)、木村佳乃(赤木啓子、里見鷹男の秘書)、紺野美沙子(土屋友子、恒太郎の愛人)、益岡徹(緒方、綱子の見合いの相手)、長澤まさみ(里見洋子、里見家長女)、加藤治子(ナレーション)、他
制作日本(2003年11月8日公開)
時間135分

概要

四人姉妹は、しばしば集まっておしゃべりをし、表向きは仲良く過ごしているが、それぞれ他人には言えない秘密を抱えていたり、後ろめたいことがあり、また、互いに心の底ではよく思っていない部分もある。ある日滝子が、父に愛人と子がいると言い出す。興信所で調べ、証拠もあるという。姉妹は母を傷つけないように今後の対策について話し合うが……

雑感

  • 面白くなくはなかったが、長いテレビドラマという感じ。TVスペシャルならわかるが、あえて劇場版として制作した意図はよくわからなかった。スクリーンで見たらまた違った感想があっただろうか。
  • 景品を見つけただけで例の投書の主が母だと断定するのはいくらなんでも安易過ぎる。別の投書でもらったのかも知れないからだ。まあ、娘たちがそう信じた、ということが重要で、本当の投書の主が誰かはどうでもいいのかも知れないが。
  • 父の愛人(と子)とされた家族も、娘の思い込みで、知人の家族を庇護していただけとかいうオチがあるのかと思ったが、どうやら本当に愛人だったようだ。ひねりがない。
  • 姉妹が全員違ったタイプの美人のため、血がつながっているように見えないのはご愛敬だが、年齢が離れ過ぎている点はリアルさに欠けた。四女は母親が51歳の時の子だということになる。不可能ではないだろうけど……
氏名 映画公開時の年齢
大竹しのぶ 46
黒木薫 43
深津絵里 30
深田恭子 21
仲代達也 70
八千草薫 72
紺野美沙子 43
木村佳乃 27
長澤まさみ 16

配役

  • 今と違って驚いたのは、一番は長澤まさみ。まだ子供。最初はどこで長澤まさみが出て来たのかわからなかったほど。
  • 木村佳乃は現在からは想像もつかないほど色っぽい。巻子が夫の浮気の相手では? と疑う相手なので(ただの思い込みが、本当に浮気をしていたのかは作中では示されないが)ことさらフェロモンを全開にしていたのだろうけど。
  • 深田恭子は、顔つきなどは今とあまり変わらないのだが、太ってた。
  • この三人の他は、16年も前の作品であるにも関わらず、現在とあまり変わらず、違和感はなかった。まあ自分も役者みんなの「最近」を知っているわけではない。八千草薫は、自分の知っている「最近」は「舟を編む」(2013年)、深津絵里は「寄生獣」(2014年)で、それとの比較になる、という面もあるのだろうが。

阿修羅のごとく [DVD]

阿修羅のごとく [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2004/06/25
  • メディア: DVD

(2020/1/11 記)

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正当な(?)後継作品「ターミネーター:ニュー・フェイト」

公開初日に見られて良かった。以下ネタバレあり。

題名ターミネーター:ニュー・フェイト(Terminator: Dark Fate
監督ティム・ミラー
出演ナタリア・レイエス(ダニー・ラモス)、ディエゴ・ボネータ(ディエゴ・ラモス、ダニーの弟)、マッケンジー・デイヴィス(グレース、強化人間)、ガブリエル・ルナ(Rev-9)、リンダ・ハミルトン(サラ・コナー)、エドワード・ファーロング(ジョン・コナー)、アーノルド・シュワルツェネッガー(カール/T-800)、他
公式サイト映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』公式サイト 大ヒット上映中!
制作USA(2019年11月8日日本公開)
時間128分
劇場イオンシネマ 新百合ヶ丘(スクリーン1)

総論

「T2の正当な続編にして、新たなる伝説」というキャッチを数か月前から100万回くらい聞かされた。T2の、というのは、T3以降をなかったことにする、ということで、これは事実だからいいのだが、「正当」はどうだろう。ジェームス・キャメロンが制作を手がけ、リンダ・ハミルトンが出演しているからといって必ずしも「正当」だとはいえないし、正当だからといって面白いとは限らないよな、と思っていたのは残念ながら当たりだ。自分の中では「ターミネーター4」の方がずっと面白かった。

概要

近未来では、スカイネットは登場しないが(T2でぶっ壊したから)、それに代わる「リージョン」というAIシステムが登場し、人間に反旗を翻すので、結局同じような未来になる。

スカイネットはT-1000型ターミネーター(T2で撃退される)の他にT-800型も過去に送ってきており、これにジョンが殺されてしまう。怒り狂ったサラは、その後も何処からから送られてくるターミネーターを見つけては壊すのが「仕事」。リージョンも何故かジョンのいないはずの未来からターミネーターを何度も送りつけていていたのだ。

ジョンを殺したT-800型ターミネーターは、目的を果たした後、新たな指令がスカイネットから来ないため、「現代」でカールと名乗り、人間の家族を得て、「カーテン屋さん」で生計を立てていた。長く人間として生きることで「良心」が芽生え、ジョンを殺したことを後悔するようになる。そこで……

雑感

概要を書いているだけで情けないというか恥ずかしいというか、いったい誰がこんな筋立てにOKを出したのかと小一時間問い詰めたくなる。根本的に「ターミネーターは一体しかい」のが大前提で、だからこそT1でもT2でも、その一体をなんとか破壊することで解決したわけだ。こんな風に次々と送られてくるのでは、現代の科学力では基本的に太刀打ちできないわけだから、今回たまたま勝ったところで、次回勝てる保証はない。長い目で見れば負け戦は目に見えている。

スカイネットがなくなってもリージョンが登場するのは二番煎じ。Rev-9は二体に分離できる点がT-1000より進化しているが、液体金属である点は変わらず、驚きがない。T-800が「良心」を覚えるのはT2の発展形ではあるが、いくらなんでも「カール」と名乗るのはないよと思う。

狙われるダニーは、サラに代わる救世主の母親なのかと思ったら、彼女自身が救世主であったという点は21世紀だなあと思うが、未来のダニーはグレースが自爆するしか自分を守る道はないことを知りながら彼女を過去に派遣するわけで、ずいぶん残酷だと思ってしまう。この点はカールを派遣したジョンも同様に思えるが、ジョンの場合はカールが過去に行ってサラと夫婦にならないと自分が生まれないわけだから、意味合いが違う。

そんなわけで、アクションシーンはそれなりに面白く見たけれど、作品としてはとても評価はできない、というのが率直な感想である。

配役

  • サラを演じたリンダ・ハミルトンは、63歳という年齢にも関わらず見事な肉体で、今回の出演に向けてどれほどトレーニングを積んできたのかを考えると感動を禁じ得ない。それだけが見どころかな。

(2020年1月9日 記)


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初めて劇場で見た!「ターミネーター2」

ターミネーター:ニュー・フェイト」の公開記念か、短期間劇場公開していた。劇場で見られる日が来ようとは……。

題名ターミネーター2Terminator 2: Judgment Day)【3D】
劇場TOHOシネマズ日比谷(スクリーン13)

雑感

エドワード・ファーロングのジョン・コナーは本当にかわいくて、魅力的である。偉ぶってT-800にいろいろ教え込むあたりは、子供らしさの中に、のちのリーダーの資質が垣間見えて、うまいなあと思う。また、T-1000は本当に怖い。無表情で人を殺していくところ、あの走り方。能力もそうだが演出が見事。怖さを浮きだたせていた。さらに、T1で恐怖のターミネーターだったT-800が今回は味方に回るというのも意外な展開だし、ジョンの薫陶を受けて人間らしく(?)成長していく、というのも新しい展開である。こうしたことから、T2はシリーズ中最高傑作だという人が今も多くいるのだろう。

しかし、観客動員などでT2がシリーズ中最高なのは事実であろうが、最高傑作か? といえば、自分は賛成できない。

T1を見れば見るほど、シリーズ中などと言わず、映画史上最高クラスの出来栄えであり、ストーリーは完璧。そして、ターミネーターやカイル・リースなどが過去に送られてくるのは今回だけであり、二度と、何者もやってこないはずだったのに、なぜT2では再びT-1000やT-800がやってきたのか。これを言っては身も蓋もないが、冒頭から違和感を持つ。

病院にいるサラ・コナーはブラジャーをつけておらず、上着もスケスケ。おっぱいがはっきり見える。看護師が寝ているサラの身体を舐めまわしたりするシーンもあるから、ひどい病院であるが、この設定は何のためか? 真面目で、温厚で、親切な医師であっても、サラの説明は妄想にしか受け取れない、というならわかるが、これでは頭の固い医師がサラの言い分に耳を傾けず妄想だと決めつけている、というように受け取れてしまう。事実そうなのかも知れないけど。

9年前に、T-800の存在をサラが証明できなかったことが、いまだに病院を出られないことにつながっている(工場の中に残っていた残骸をサイバーダイン社が隠蔽してしまったという不幸な事情もあるが)。だから、サラとしてはT-800やT-1000に関するなんらかの証拠は是が非でも残しておくべきだった。写真だっていいはずだ。なぜあっさりT-800を行かせてしまったのか。

マイルズ・ダイソンも死んでしまった今、ターミネーターの存在を証明できないと、サイバーダイン社を壊滅させた責任を負わなければならなくなる。今度こそただでは済まないだろう。いや、今回は(サラが入院していた病院の医師をはじめ)多くの人が目撃しているから大丈夫か?

(2019年12月6日 記)

「最高の人生の見つけ方」

まだやっていた。見られてよかった。

題名最高の人生の見つけ方
監督犬童一心
出演吉永小百合(北原幸枝)、前川清(北原孝道、幸枝の夫)、駒木根隆介(北原一慶、幸枝の長男)、満島ひかり(北原美春、幸枝の長女)、天海祐希(剛田マ子、経営者)、賀来賢人(三木輝男、マ子の夫)、ムロツヨシ(高田学、マ子の秘書)、鈴木梨央(神崎真梨恵、病院で出会った少女)、ももいろクローバーZ(本人役)、他
公式サイト映画『最高の人生の見つけ方』公式サイト
制作日本(2019年10月11日公開)
時間115分
劇場イオンシネマ 港北NT(スクリーン11)

概要

北原幸枝は専業主婦だが、洗い物一つしてくれない夫、仕事もせず部屋に引き籠ってゲームばかりしている長男に手を焼いている。長女はまともに育ったが、父や兄の世話を押し付けられることを嫌って家に寄り付かない。

剛田マ子は大手ホテルチェーンを展開する敏腕経営者だが、夫は自分の目を盗んで浮気を繰り返すのみならず、会社の金を使い込んでおり、それを感じているマ子は誰にも心を許すことができない。

その二人が揃って癌に罹って余命宣告を受けることになる。同室に入院して知己を得ることになった。さらに病院では重度の糖尿病の少女が倒れ、息を引き取る現場をそろって目撃する。少女の残したノートに「死ぬまでにやりたいこと」が書かれており、幸枝とマ子は、自分たちが少女に代わってこれを成し遂げることにする……

雑感

  • 余命宣告を受けたとか、家族に裏切られたとか、いろいろあるけれど、基本的にはこれはロードムービーだと思う。彼女らがスカイダイビングをしたり、エジプトの砂漠を裸足で歩いてやけどしたり、超ビッグサイズのパフェを食べたり、ももクロのコンサートに行ったりする。しかも恐らくその費用はすべてマ子が出していて、海外へはすべてプライベートジェット使用という超豪華な旅。バラエティに富んだ内容と絢爛豪華な内容に目を奪われる、というのが大きな柱だ。まずはそこを楽しむ映画だ。
  • 冒頭でJAXAが登場し、吉永小百合天海祐希もしばらく出て来なかったため、映画館の部屋を間違えたかと不安になった。何の関係もないように見える冒頭のシーンが最後につながった時に、大きな感動を受けたが、それならそれで、タイトルを表示させるなり、二人の顔をフラッシュで映すなり、そこは工夫が欲しかった。
  • 先に死んだマ子は自分の資産を幸枝に託す。託された幸枝が思いついたお金の使い道は実に素晴らしいアイデアだった。誰かの入れ知恵かも知れないが、幸枝は本質的に頭がいいのだ。
  • 孝道は反省して料理を覚え、一慶は就職する。一見ハッピーエンドだが、自分はこれに関しては少々意地の悪い見方をしている。今はいいけど、三ヶ月もしないうちに一慶はイヤになって仕事を辞めると思う。孝道はもっと短く、恐らく二週間もしないうちに面倒になって料理なんてやめてしまうと思う。料理も仕事も、心がけさえ変われば誰でもできるようになるというものではない。それなりのスキルが必要だし、スキルを身につけるのは時間も努力も必要なのだ。まあ幸枝は、二人が変わってくれたと信じて息を引き取ることができたわけだから、ハッピーエンドに変わりはないか。

記憶に残るセリフ

高田「手紙には書いていませんが、マ子さまは最後に私にこうおっしゃいました。高田、お前にもきっといい相手が見つかるよと」

高田はマ子のことを心から愛していた。マ子はそれを知っており、部下としては信頼していたが、男としては好きにはならなかった。そのマ子から高田への遺言。泣かせる。

その他

  • 2007年のアメリカ映画のリメイク。

配役

  • かつて、イヤなヤツを演じさせたら右に出るものはないと思われたムロツヨシは、最近いい役をやることが多いが、わけても今回はカッコよかった。いい役者だなあ。

最高の人生の見つけ方 オフィシャルフォトブック

最高の人生の見つけ方 オフィシャルフォトブック

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: キノブックス
  • 発売日: 2019/10/09
  • メディア: 単行本

(2019/12/5 記)

「マチネの終わりに」

久々に封切り初日に見てしまった。

題名マチネの終わりに
原作平野啓一郎
監督西谷弘
出演福山雅治(蒔野聡史、ギタリスト)、古谷一行(祖父江誠一、蒔野の師)、木南晴夏(中村奏、祖父江誠一の娘)、桜井ユキ(三谷早苗、蒔野のマネージャー)、板谷由夏(是永慶子、蒔野担当のレコード会社社員)、石田ゆり子(小峰洋子、ジャーナリスト)、伊勢谷友介(リチャード新藤、小峰洋子の婚約者)、風吹ジュン(小峰信子、洋子の母)、他
公式サイト映画『マチネの終わりに』公式サイト
制作日本(2019年11月1日公開)
時間123分
劇場TOHOシネマズ川崎(スクリーン7)

概要

蒔野は、自分の講演を見に来た小峰洋子に一目惚れ。彼女には長く付き合っている婚約者がいるが、それを考え直すように迫る。小峰も、実は蒔野に惹かれてしまっていた。そこで彼女も婚約者と別れて蒔野と結婚することを考え始めるが。

二人の恋路を邪魔する者がいて、しかもこの人物が狡猾なのは、二人とも誰かに邪魔をされているとはわからないやり方で邪魔をして、そのためすれ違ったまま何年も過ごすことになってしまう。

その後、小峰は当初の予定通り新藤と結婚、一児をもうける。蒔野もマネージャーの三谷と結婚、やはり一児をもうける。蒔野の復活講演を前に、二人は真相を知ることになるが……

雑感

  • 予告編で想像させられる内容通りではあった。正直、ストーリーは好みではない。しかし、三谷早苗を演じる桜井ユキは見事で、彼女に引き込まれて最後までついていかれた。あと、三か国でロケを敢行したというが、映像はきれいであった。

不満点

  • 好きな人に対して、この人は自分のすべてであり、この人のいない世の中に生きていても仕方ない、と思うことは確かにあるが、普通は恋人や配偶者が病気や事故で死んでも、後を追ったりはせず、一人で生きていくのである。若い人ならともかく、40代になってそんなことを口に出されてもなー。
  • 最初に蒔野に口説かれた小峰は「あなたとの子供を産んだり育てたりするイメージがわかない」と答えるが、それを聞いて、え、君は子供を産むつもりがあったのと、ビックリした。だったら婚約者となんでさっさと結婚しないの? もう40過ぎているんでしょ。
  • 蒔野は小峰に命を懸けて好きだとは言ったけど、結局数年連絡が取れなくなっただけで別の女と結婚し、子供まで作ってしまう。アンタのいう命懸けは、その程度のことかよ。
  • 三谷は蒔野が自分のすべてだと言うが、それはギタリスト・蒔野が好きなのか、男性である蒔野が好きで、結婚したい、付き合ってほしいと思っていたのか。両者はかなり違う。どっちもです、ということだったようだけど、そこをごっちゃにしている感じがスッキリしない。
  • 小峰は、好きな人ができて、婚約を取り消そうとしたけど、振られてしまった(と思い込んだ)ため、結局元々の婚約者と結婚したが、しれっと元鞘に収まれる神経がわからない。しかもこうした経緯は婚約者も知っていたようだし、そうしたら結婚生活は最初からぎくしゃくするよなあ。
  • 言い出すときりがないが、5つまでにしておく。

その他

  • 蒔野が披露する「新幹線の中で音楽評論家と会ったが無視された」ネタは面白かった。覚えていて、何人かに披露したが、いずれも笑わせることに成功。

配役

(2019/12/1 記)

リンク

言いたいこと全部言ってくれた。