窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「虎に翼」(010)

第02週「女三人寄ればかしましい?」(金)

放送日

  • 2024年4月12日

概要

判決の日。寅子たちの予想は外れ、妻が着物を取り戻すことが認められる。大喜びする女子部の面々だったが、よねだけは「甘い」と怒りを隠さない。裁判には確かに勝ったが、あの女性の受ける扱いは変わらない、と言うよね。寅子は、着物を返還された妻・峰子の「離婚裁判は続くが、最後まで戦う」という言葉に、「法律は盾のように人を守るためのもの」だと考えるようになる。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の田中裁判長

民法が夫をして妻の財産を管理させるのは、夫婦共同生活の平和を維持するとともに、妻の財産の保護を目的とするものであること、疑い入れぬことである。だが、本件のように夫婦生活が破綻を生じた事情において、妻が形見の品、かつ、日常生活に必要な品々の返却などを請求することに対し、夫がそれを拒絶することは、法に規定されている権利の濫用といわねばならず、夫としての管理ばかり主張するのは、明らかに妻を苦しめる目的をもってのことにほかならない」

今日の山田よね

「あの男は彼女への非道の仕打ちの償いをすることもない。何も反省しない。きっと彼女にしてきたこと、またほかの女に繰り返す。本来法律は、力を持たないあたしたちが、ああいうクズをぶんなぐることができる唯一の武器。そうであるはずなのに」

今日の寅子とよね

「嫌いな奴のことを知る時間なんて無駄だろう」
「え? 私よねさんのこと割と好きよ。勉強熱心だし、はっきり物事を言うところは私に似ているし、男装姿は似合っているし、何より、知らない誰かのために涙して憤慨するあなたは、とってもすてき」

感想

昨日あれほど気を持たせた判決だが、アバンで決着がついてしまった。あれだったら昨日のうちにそこまでやってもよかった。翌日につなぐためにわざといいところで「引く」のは古今東西当然のように使われる手だが、限度があろう。被告側が「なんだそりゃ、納得いかねえ」といきりたつところで終わらせてもよかったのでは。

それはそれとして、さすがは金曜日、メモしておきたい印象的なセリフが玉ほど登場した。

原告勝訴の理由は、おおむね昨日自分が予想した通りであったのは少々嬉しかった。夫が資産管理をする権利があるのは結婚生活がうまくいっている限りにおいてであり、破綻した後もそれを主張するのは権利の濫用である。よい理論だ。

東田甚太が峰子を殴ろうとした時に「ちょっと待った!」と叫び間に入った寅子は見事だった。一方よねの、「殴らせればよかった、そうしたら私たちが証人になって暴行罪で現行犯逮捕だ」というのも面白い考え方だ。

そのよねは、現代のセクキャバのような喫茶店バーテンダーとして働いていた。あの男装姿はその制服でもあったのだ。あれは実家? 単なるアルバイト? 涼子は母親から「少し日に焼けたんじゃない? 自分の価値というものをもっと考えなさい」と叱られるが、その母は酒を飲んでいる。涼子のことを考えてか、それとも……。寅子の家は裕福で、家族中もよく、寅子は両親や兄に愛されて育った。恵まれた家庭なのだ。しかし、花江とはるの間には何やら不穏な空気が……?



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