第02週「女三人寄ればかしましい?」(木)
放送日
- 2024年4月11日
登場人物
- 飯田基祐(大庭徹男、梅子の夫)
- 見津賢(大庭徹太、梅子の息子)
- 筒井真理子(桜川寿子、ユキの母)
概要
傍聴した裁判について尋ねた寅子に対し、穂高は皆で議論してみるよう促す。暴力を振るう夫からなんとかして着物を取り返す方法を懸命に考える寅子、涼子、梅子、香淑。寅子と同じように憤りを感じていたよねも今回ばかりは一緒に頭を悩ませていた。裁判の結果が気になる寅子たち女子部の面々は判決を見届けるため、課外授業として裁判所に向かう。(NHKオンデマンドの解説より)
感想
離婚が成立していない以上、財産の管理権は夫にあり、従って着物を取り返すことは不可能。これが寅子らの出した結論だ。が、諦めきれない寅子は、裁判の傍聴を提案する。これはいいアイデアだった。裁判所は異様な雰囲気に包まれた。裁判官や弁護士はもちろんだが、傍聴人にも普段は女性などほとんどいないであろうところへ、しかも傍聴マニアですら「つまらない」という小さな裁判に、女性が大勢押しかけたのだ。桂場等一郎はお団子を持ったまま覗き窓から様子を伺う。
さあ、裁判官はどのような判決を出すのか、というところで「つづく」。そんな殺生な!
弁護士の主張は前回の繰り返し。どのような判決を下すかは既に決めて来てあるはずで、傍聴者の雰囲気で判決が覆ったらそれはそれで問題だ。また短い休憩時間で判決文を書き直している余裕があるとも思えない。しかし、この裁判の行方をこれだけ大勢の女性が見守っていますよ、と行動に示したことで、何かが変わるかも知れないのだ。また、そうやって少しずつでも何かを変えて行こうとするのが彼女らのなすべきことでもあろう。
多くは語られないが、桜川涼子、大庭梅子、崔香淑らも、ここまで決して幸せ一杯の人生を歩んできたわけではなく、厳しい現実に直面して来たことが示唆されるのもよかった。
ところで、結婚するの財産が夫のものになるとはいうが、だからどう使おうと夫の勝手、ということにはならないのではないか。家庭をうまく運営していかれている上においては細かい判断は夫がする、でもいいかも知れないが、本件においては、家庭は破綻し、妻の生活は成り立たなくなっている。夫は家庭の「経営」に失敗しているわけで、資産の運用方法については外部からの指導があってしかるべき、とは言えるのではないか。旧民法だって、妻に生活費を渡さずに遊び歩いている夫を擁護するものではないと思うのだ。