窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「虎に翼」(029)

第06週「女の一念、岩をも通す?」(木)

放送日

  • 2024年5月9日

概要

涼子と香淑の思いを背負って、寅子たちは再び高等試験に挑むが、今度は梅子の姿が会場にない。梅子を気にしながらも筆記試験を終えた寅子が帰宅すると、そこには梅子からの手紙が届いていた。夫から離婚を言い渡され、三男の光三郎を連れて家を出たという。梅子が寅子たちに思いを託す中、寅子の口述試験の日がやってくる。(NHKオンデマンドの解説より)

寅子のほか、優三、そして中山、よねらは筆記試験を突破。昨年筆記に合格した久保田は筆記を免除されていた。彼女らは協力して口述対策に励む。中山がよねに「もっと愛想よく」とアドバイスすると、よねは「必要なのは法律の正確な知識だ、愛想など必要ない」と例によって突っ撥ねるが、久保田は「いや、そうでもない、実は昨年、結婚の予定はあるのかと訊かれ、法律に関係ないですよね、と答えてしまったんだが、それで落とされたのかも知れない」と言う。

口述試験の日、寅子は月のものがいつもより早く来てしまう。普通なら3~4日寝込む寅子は、痛みを押して試験に臨むが、全く不本意な結果に終わる。これで落ちたと思い込んでいたが、寅子、久保田、中山は見事に合格。女性初の高等試験合格者が出たのだ。優三とよねは落ちた。

優三は、高等試験はこれで諦めると直言に告げるのだった。

感想

二回目の試験はあっさり描かれた。合格した人、落ちた人、どれも少しだけ意外だった。

口述が何を目的に、どんなことを聞かれ、どういう基準で採点されるかは知らない。前回から男子の受験者が出たからといって、気にすることなく男子と同じことを訊いて同じように採点すればいいと思うが、女性らしさを求めるのであろうか。「愛想も必要だ」という久保田、中山が合格し、よねが落ちたのはその暗示かも知れない。また、寅子は生理中のため本人は全く不本意な結果と感じたようだが、試験官の目から見て、却っておしとやかで女性らしいと写ったのかも知れない。体調万全の寅子は、余計なことを言い過ぎる傾向があるからだ。

優三が落ちたのは残念だったが、やめると言い出したのはもっと意外だった。今年は初めて筆記を突破し、来年は口述だけでいいのだから、それに絞って対策すれば合格の目はある、ここでやめるのはもったいない、という直言の言うのはもっともである。自分もそう思う。

優三は、毎年緊張から腹を下してしまい、万全の状態で受けられなかった、でも今年は寅子のせいで持てる力を発揮できた、それでも合格できなかった、ここが限界だという。そこには、これまで落ちて来たことを腹具合のせいにしていたが、寅子がいつもなら寝込むほど体調が悪いにも関わらず合格したことで自分との違いを悟ったのかも知れない。優三がここまで何年かけてきたのかはわからないが、受験生活はストレスがかかる。永遠に続けられるものではない。次の人生のためにも、引き際を誤らないことは大切である。勇三言うの判断も納得させられる。

とにかく、せっかく寅子が合格したのに、ドラマ的にやったー、ばんざーいとならないところがえぐい。



映画ランキング