窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「虎に翼」(013)

第03週「女は三界に家なし?」(水)

放送日

  • 2024年4月17日

登場人物

  • 戸田昌宏(緒方、弁護士)
  • 早瀬憩(よね:幼少期)
  • 原愛音(夏、よねの姉)
  • 佐藤誠(よねの父)

概要

寅子たちの法廷劇の幕が上がるが、男子学生・小橋らの妨害によって中止に追い込まれる。騒動は新聞にまで取り上げられてしまい、今後は女性らしいふるまいを、と学長からも注意を受ける。足をけがしたよねを住み込みで働くカフェーに送った寅子たちは、よねが働きながら弁護士を目指していること、貧しい生い立ちと男装の理由、そして世の中を変えようしていることを知る。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の寅子

「よねさんの話を、よねさんがいないところで、よねさんじゃない人から聞くのは違うと思うんです」

よねは貧しい農家の家の子だった。姉は15になると女郎屋へ売られた。自分も15になる前に売られそうになった。髪を切り、男として働くから売らないでくれと頼んだがダメだった。だから逃げた。そして「燈台」で住み込みで働かせてもらうことになった。

ある時よねの姉が正当な報酬をもらっておらずネコババされていることを知った。なんとか取り返そうと思ったがどうにもならない。そんな矢先に弁護士と名乗る男が力を貸そうと言ってきた。よねの身体を報酬に……。金は戻ってきたが、姉は置屋を追い出され、次の仕事も決まらず、金を置いて男と逃げた。そして明律大学が女子部を創設するということを知り、必死で勉強して合格した。……

感想

寅子が小橋にスパッと正論を咬ましてくれるのかと期待したが、猫パンチを出しただけだった。その上それは小橋には当たらず、ヤバイと気づいて咄嗟に止めに入った優三をノックアウトしてしまった。怒ったよねは小橋に金蹴りをかますが、そのあと反撃を受けたようで、歩いて帰るのが困難なほど足を傷つけられていた。

よねは計算ずくで小橋を挑発したわけではなかったようだ。あそこで金蹴りを出さなければ、とにかく一方的に暴力を振るわれたとしていくらか断罪できたかも知れないのに。

山下は母親に連れられて帰ってしまった。女子部の宣伝のために企画された法廷劇は、逆効果になってしまったようだ。暴力をふるったよねに処分が下されるのはまあわかるとして、劇を妨害し、中止に追い込んだ小橋にはどんな処分がくだされたのか? 学校経営に深刻な打撃を与えた張本人なのだから、厳罰に処されてしかるべき、少なくとも無罪放免はあり得ないと思うが、少なくとも今日は、その点には何も触れられなかった。

実際問題としては、小橋が最初の野次を飛ばした時点で、総務部長か穂高先生は、なんなら学長が小橋のところまで行って注意をすべきだった。そうすれば騒ぎは回避されたはずだ。自分たちがすべきことをしないで問題を大きくさせておいて、女子に「今後は女性らしい振る舞いを」と注意するのは、教育機関としても問題だと思うが。女性蔑視だけではない、多くの問題がありそうだ。

それはそれとして、よねの語る過去は壮絶だった。

ところで、よねが「私はあんたらとは違う」と事あるごとに言っていたのは、自分の方が上なのだと周囲にマウントを取っていた、と思い込んでいたが、今日の話を聞いて、もしかして「自分は穢れている」との思いからの言葉だったのかも知れないと思い至った。

カフェ「燈台」の増野は、いい人ではあるのだろう。こうしてよねを雇い、学校にも行かせているわけだから。だからといって信用できる人かといえば、それもまた違うように感じる。頼みもしないのによねの過去を寅子らにペラペラ話そうとしたわけで。恐らく店の常連客にも同じように話しているのではないか。もしかしたら裏はなく、「だから応援してあげてね」というだけのつもりかも知れないが、却ってそれで「生意気」と思われる悪循環も起きている。

これから大庭梅子や崔香淑についてもこうしたエピソードが盛り込まれるのだろうか。ちょっとつらい。

それと、もしかして優三さんって徴兵されたりしないよね?



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