題名
- 「光る君へ」第10話「月夜の陰謀」
放送日
- 2024年3月10日
概要
兼家は道長たち一族を巻き込んで、秘密裏に花山天皇を退位させ、孫の懐仁親王を擁立する計画を進め始める。その頃まひろは、家に帰ってこない為時を案じ、妾の家を訪ねてみる。そこには身寄りもなく最期を迎えようとしている妾の看病をする為時の姿があった。帰宅したまひろのもとに道長からの恋文が届く。まひろは道長への文をしたため始めるが……。(公式サイトより)
道長はまひろに、一緒に都を出ようと誘う。藤原を捨てると。だからここまま一緒に行こう、まひろも父と弟を捨ててくれ、と。まひろは、それは嬉しいけど、道長様はこれから偉くなって、よりよき政を行なってほしい。一緒には行かないと断わる。断わるけど、そのまま二人は結ばれる……
道兼に言いくるめられた花山天皇は、ついに出家を決意し頭を剃る。が、一緒に出家するはずの道兼は態度を翻す。花山天皇が内裏を出たあと門をすべて締め、神器を懐仁親王の許へ運び出す。クーデターは成ったのだ。
今日のまひろ
「私は、都であたなのことを見るめ続けます。片時も目を離さず、誰よりも愛おしい道長さまが政によってこの国を変えていく様を、死ぬまで見つめ続けます」
今日のまひろ(2)
「人はしあわせでも泣くし、悲しくても泣くのよ」
「これはどっちなんだ」
「どっちも」
雑感
ついにまひろと道長が結ばれた。だがそれは、将来を約束されたものではなかった。毎回琴線を揺さぶる内容だが、第5回に続いてドカンときた。
まあ、甘ちゃんだなあとは思う。都を出て、いったいどうやって暮らしていくつもりなのか。どこに住むのか。仕事はどうやって見つける。都の外の民の暮らしがどんなものなのか、道長は全くわかっていない。わかっていないのに、「まひろと一緒ならなんでもできる」と言う。それでも、大臣や関白や摂政になる道をまひろのために捨てるというのは、一大決心には違いない。
タイトルの「陰謀」とは「寛和の変」を指す。寛和2年6月23日に発生した、花山天皇の退位・出家及びそれに伴う政変のことだ。これが昨年、あるいは一昨年の大河であれば、数百人の武士が取り囲んで……ということになろうが、誰一人死ぬことなく政変は終わった。しかし、それと同等の、いやそれ以上の激しさがあった。
「よしこの霊を鎮めるためには花山天皇が出家するしかない」という前提の上とは言え、道兼はよく誘導したものである。ドラマで見る限りは、今回の政変は、ほとんど道兼一人で行なったようなものだ。それに見合う褒美が与えられるといいが。
道綱が謀りごとに加えられるが、ことの恐ろしさを理解していない。寧子は道綱も出世させてくれと兼家に要求するが、兼家の許で出世するとは、こういうことなのだ。
為時は高倉の女のところに入り浸りで家に帰って来ない。いとは不安に思っている。いとは単なる乳母というだけでなく、為時と関係があったのだろうか。気になってまひろが覗きに行ったら、乳繰り合っていたのではなく、病気になり余命わずかな妾のことを必死で看病していた。妾が必ずしもみじめだというわけではないのだ。父のことを見直すまひろであった。
今日のtwitter
#光る君へ 第10回。募る想いの末に結ばれた道長とまひろだがハッピーエンドには遠く、甘い和歌に対し志を乗せた漢詩が二人を象徴していた。スリリングながら華麗に決行された月夜の陰謀は花山天皇のピュアさがより哀しい。大河史に残る艶めいた回なのに今夜の夢には兼家の満面の笑みが出てきそうです。 pic.twitter.com/IvlFaQYQcD
— KEI-CO (@keico) March 10, 2024