窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

(09)「遠くの国」

題名

  • 「光る君へ」第09話「遠くの国」

放送日

  • 2024年3月3日

登場人物

  • 初登場の人はなし(初めてか?)

概要

東三条殿に入った盗賊の正体は直秀ら散楽一座だった。道長の命で検非違使に引き渡される。一方、直秀らの隠れ家を訪ねていたまひろは盗賊仲間と勘違いされ、獄に連行される。宮中では、花山天皇と義懐の関係が悪化し、代わって道兼が信頼を得始めていた。その頃、兼家を看病する詮子を思いもよらぬ事態が待ち受けていた。(公式サイトより)

今日の実資と桐子

「先の帝はすべてのことをよくご覧になっていた。先の帝が懐かしい」
「懐かしんでも院が帝に戻られはしませんから」
「わかっておる」
「わかっているならもう言わないで」
「わしが公卿であれば!」
「じゃあそれ、日記に書けばよろしいのでは? そうよ、日記、日記」
「日記には書かぬ! 恥ずかしくて書けぬ」

今日の兼家

「これより力のすべてをかけて帝を玉座より引きおろしたてまつる。皆心してついて来い」

今日の惟規(と為時)

「一念通天(ひたすら念じれば思いはかなう)、率先垂範(人の先に立って物事を行い模範となれ)、温故知新(古事をたずねて新しい知見を得よ)、独学固陋(ころう)(独学による学問はひとりよがりになる)、肝に命じよ」
「今のわかった?」
「ひとつわかった」

雑感

道長は、盗賊を捕らえた兵たちに、速やかに検非違使に引き渡すよう指示を出し、検非違使の役人には心づけを渡して、何も盗まれておらず、誰も傷つけられていないから、手荒なことをしないよう依頼する。その後、取り調べを受けることなく流罪と決まったが、実際には鳥辺野へ連れていかれ斬り殺されたのだった。

釈放される時間を聞いて、最後の別れを告げようと道長とまひろが検非違使庁へ向かったら、既に釈放されたあと。この情報の違いは故意か、偶然か(話を伝えた人が間違えた、あるいはその後なんらかの事情で時刻が変わった、もしくは道長に邪魔されないようわざと違う時刻を伝えた)。

検非違使庁の役人は、二度と盗賊を働かないよう手を折って釈放すると言った(道長の同僚や捕まった散楽の連中はむち打ち30回くらいではないかと言った)。無罪放免というわけには行かないから、ケガをさせるわけにいかないとなれば流罪だが、7人もの人間を流罪にするというのは大変だ。列車も自動車もない時代、流刑地まで誰かが連れて行き、また戻って来なければいけないから。それを面倒がって、流したことにして殺してしまえとなったのか。道長の意図を逆に受け取った(藤原家に恥をかかせた者たちを決して許すな)という説も見た。道長から心づけを受け取った役人が、喜んでいる様子でもなかったのが気になる。

兼家は意識不明状態を脱し、子らに対して一丸となって帝を引きずり下ろすよう指示を出す。気絶したのは本当だが、帰宅後、意識を取り戻していた。安倍晴明に、帝を退位させたいが手がないと打ち明けると、晴明は、気絶したふりを続けるように言う。兼家が倒れたのはよしこ様の怨霊のせいだと噂を流す。その兼家が息を吹き返したということは、よしこの霊が兼家を離れ、内裏をさまよっているということ。その霊を成仏させるためには帝が出家するしかない、と安倍晴明花山天皇に伝える。

事情が判明し、目が点になっている道隆、道長、詮子に対し、道兼が、へへん俺は知っていたもんね、それだけ親父に信頼されているんだもんね、とドヤ顔をしていたのが可愛かった。それにしても花山天皇の道兼への信用度合いが凄すぎて可哀相になる。花山天皇はいい人なのだが、人を見る目がない。いい人なのだが!

それにしても、道長とまひろ、二人の初の共同作業が、共通の友人の死体の埋葬とは……。直秀の手に自分の扇子を握らせた道長がいじましい。罪人ではなく、芸人として逝かせてやりたかったということだろうか。

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