窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「虎に翼」(021)

第05週「朝雨は女の腕まくり?」(月)

放送日

  • 2024年4月29日

登場人物

概要

直言ら16人が贈収賄の容疑で逮捕された「共亜事件」は世間の注目を集め、寅子は大学に行けずにいた。そんな中、花岡と穂高が猪爪家にやってくる。穂高が直言の弁護を引き受けてくれることになり安堵する寅子たち。逮捕から4か月後、予審が終了し、「罪を自白した」と書かれた新聞記事に戸惑う寅子たちの元に直言がようやく帰ってくる。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の優三(と寅子と花岡)

「お兄さん、顔をあげてください」
「あ、いや、僕はお兄さんでは。僕はただの書生です」
「ただのじゃないです、優三さんは家族ですよ」

今日の優三 その2

「顔をあげてください。直明くんも見ています」

感想

四ヵ月にわたる予審を終えて逮捕された16人はいったん釈放された。穂高教授が弁護を引き受けてくれることになった。花岡に頼み込まれてその気になったらしい。刑事事件は専門ではないと言うが、穂高が味方になってくれれば猪爪家としては力強いだろう。ただ、直言は罪を認め、穂高に対しても家族に対しても「私がやりました、申し訳ない」の一点張り。これでは無罪を争うことはできないが、穂高は、直言が罪を背負い込んでいる可能性もあるとして、本当は何があったのか、家族が訊き出してほしいと寅子に依頼する。

今日も優三はカッコよかった。家族の前で土下座する直言に真っ先に顔をあげるよう言い、穂高に酒を注ぐようはるが寅子に指示をしても、寅子が固まってしまって動けないのを見てとるや、自分から、と言って穂高に注ぐなど、周囲のことがちゃんと目に入っていて、自分の取るべき行動をきちんとできている。

寅子から「優三さんは家族ですよ」と言われて嬉しそうにするのもよかったが、それを聞いた花岡が不機嫌そうな顔をするのは「はて?」と思った。寅子に気のあるらしい花岡にとっては、優三さんは血がつながっていなくても私の兄も同然ですよ、と言われるなら、それはそれでよいのではと思ったから。でもあとでSNSを見て、「優三さんとは結婚の約束をしているのだから」という意味に受け取った可能性があることに気付いた。

花岡の造形が面白い。初登場時はいやにいい男に描かれていて、これは本当かと思ったら、先週後半では底が見えた……ような気がした。しかしそれもまた底ではなく、今のところ、自信のなさ、気の弱さを併せ持つ、かわいい人、という感じになっている。ただ、寅子に好意を抱いているのも事実ではあろうが、でも、それは恋とか愛とかいうものとは違うと思うのだ。今でも、中学・高校と男子校で過ごした人が大学に入って共学になると、クラスの女子を見てクラクラしてしまうのと同じ。

ところで先週の古谷敏に続き、今日の森次晃嗣の登場には驚いた。オープニングロールでは二人の名が一画面に収まっていたが、これは狙ったのではないか。まさか朝ドラでモロボシ・ダンとアマギ隊員が並ぶ日が来るとは。長生きはするものだ。



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