窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「シン・ウルトラマン」

題名シン・ウルトラマン
脚本庵野秀明
監督樋口真嗣
主題歌「M八七」(米津玄師)
出演■禍威獣(カイジュウ)特設対策室、通称「禍特対(カトクタイ)」:斎藤工(神永新二、作戦立案担当官・警察庁公安部より出向)、長澤まさみ(浅見弘子、分析官・公安調査庁より出向)、有岡大貴(滝明久、非粒子物理学者・城北大学理学研究科)、早見あかり(船縁由美、汎用生物学者文部科学省より出向)、西島秀俊(田村君男、専従班班長防衛省防衛政策局より出向)、田中哲司(宗像龍彦、室長)
■政府:嶋田久作(大隈 泰司、内閣総理大臣)、岩松了(小室 肇、防災大臣)、益岡徹(狩場 邦彦、防衛大臣)、山崎一(中西 誠一、外務大臣)、堀内正美内閣官房長官)、利重剛首相補佐官)、竹野内豊(政府の男)、他
■外星人:山本耕史(メフィラス)
■その他:長塚圭史(早坂、陸自戦闘団長)、和田聰宏(加賀美、警察庁警備局公安課)、他
声の出演高橋一生ウルトラマン/リピア)、山寺宏一(ゾーフィ)、津田健次郎(ザラブ)
制作日本(2022年5月13日公開)
時間113分
劇場イオンシネマ港北NT(スクリーン1)

映画館

二年二ヵ月ぶりの映画鑑賞。感無量。しかし心配するほどのことはなく、混雑した電車に乗ったり飲食店での飲み食い、床屋などの方がよほどリスクが高いように思う。新型コロナ対策ならば映画の自粛はあまり意味がないと感じた。

粗筋

次々と巨大不明生物【禍威獣】があらわれ、その存在が日常となった日本。通所兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍威獣特設対策室】通称【禍特対】を設立。班長・田村君男、作戦立案担当・神永新二、非粒子物理学者・滝明久、汎用生物学者・船縁由美が選ばれ、任務に当たっていた。

禍威獣の危機がせまる中、大気圏外から突如あらわれた銀色の巨人。禍特対には、巨人対策のために分析官・浅見弘子が新たに配属され、神永とバディを組むことに。浅見による報告書に書かれていたのは……【ウルトラマン(仮称)、正体不明】。(公式サイトより)

感想

面白いところもたくさんあったが、そうでないところもあった。多くの人が「シン・ゴジラ」と比較するが、何度でも見る気にさせるのは「シン・ゴジラ」の方だと思う。

今の日本で、ゴジラや禍威獣のようなものが登場したら、首相以下、政府が動かないわけにはいかないだろうし、無論、自衛隊は出動するだろう。だが、それは「シン・ゴジラ」で見た風景と同じ(変化をつけているのはわかるが)。二番煎じの印象あり。

そもそも科特隊もウルトラ警備隊も独立した組織であり、自ら強大な軍事力を持っている。上部組織はパリ本部であって、防衛省や総理大臣ではない。政治家が全く登場しないのが「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」のいいところだった、と思う。禍特対は作戦立案を行ない、実際の戦闘は自衛隊が行なうというのは合理的だが、自分の中ではソウジャナイ感が強かった。ジェットビートルもオレンジのユニフォームも出て来ない。

他にもソウジャナイと感じた点は多々あるが、そうしたことを吹き飛ばすくらい圧倒的に魅力的だったのは、長澤まさみ山本耕史だ。この二人は本当に嵌まり役であり、他の人が務めたら本作は成立しなかっただろう。斎藤工西島秀俊もよかったが、わからないのが有岡大貴と早見あかりだ。適任者はほかにいくらでもいただろうに、というのが正直な印象だ。

米津玄師の主題歌もよかった。見直したと言っては失礼だが、米津玄師の才能を改めて感じた。