窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「鎌倉殿の13人」(19)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第19話「果たせぬ凱旋」

放送日

  • 2022年5月15日

登場人物

概要

鎌倉入りを許されず京で悲嘆にくれる義経。義時は大江広元の知恵を借り、源頼朝義経との関係修復を模索するが、後白河法皇はそれを許さない。愚痴をこぼす頼朝に対し苦言を呈す八重。この状況を政子が憂う中、京では義経をめぐって里と静が対立。さらに源行家義経に近づいて頼朝への疑心をあおり……。(NHKオンデマンドの解説より)

検非違使の任にある間は義経は京都を離れられない。頼朝は義経を伊予守に推挙。官位の兼任は認められないため、これは検非違使から外すための策であったが、後白河法皇は伊予守と検非違使を兼務するよう指示。九条兼実は「前例がない」と驚くが法王は断行。頼朝は、義経検非違使を辞退しなかったのは自分に従う気がないからと疑う。

里は、自分が正妻なのに静と懇ろな義経が許せず、土佐坊に女を殺して義経を痛めつけるように依頼。義経はかろうじて土佐坊の襲撃を撃退するが、行家は頼朝の指示で襲ってきたと主張し、ついに頼朝と敵対することを決意。法皇から頼朝追討の宣旨をもらう。

義経の挙兵を聞き、頼朝は義経追討の軍を京へ向かわせる命をくだす。三浦義澄、土肥実平比企能員らは、義経と戦って勝てるわけがないからと拒否の姿勢。が、「ここで臆すは坂東武者の名折れ」と三浦義村が言い、畠山重忠が賛同の意を示すと、和田義盛が呼応。ついに全軍が京へ向かうことになる。なお三浦義村は、戦にならないと予想。案の定、義経は兵が500しか集まらず、京を捨てて北九州へ落ち延びていく。

北条時政、義時が京へ行き、法王と面会。義経を追い詰め、法王を守る代わりに西日本への地頭権を保証させる……。

雑感

今回死んだのは源行家だが、これはほとんどの視聴者が同情しなかっただろう。これまでも、他人を無責任に焚きつけておいて、立場が危うくなると、責任を回避していち早く自分は逃げる、という態度を取ってきた人物だから。兄の義円がそれで死んでいるのに、なぜ義経はこういう人物の言うことを信じてしまったのだろうか。他に信じられる人が周囲にいなかったこともあるのだろうが……

政治に弱い義経はともかく、頼朝も後白河法皇に翻弄されている。鎌倉を中心に坂東に一大勢力を築いたといっても、京都に翻弄されるのだなあと思う。鎌倉幕府の仕組みは基本的に律令制の上に乗っているので、朝廷の後ろ盾がないと、やっていることが正当化できないのだ。

北条時政のいざという時の胆力はすさまじい。法皇に対して要求を飲ませてしまった。そして、密かに会った義経に対して愛情のこもった態度にも打たれた。まだまだ若い義経は、こうした失敗を糧として、成長していけばいいと思っているのだ。生きながらえることができれば、だが……
(2022-05-18 記)



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