窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「亀の前事件」(12)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第12話「亀の前事件」

放送日

  • 2022年3月27日

登場人物

概要

北条義時から父・伊東祐親と兄・祐清の死を告げられ憤る八重。義時は八重をいさめ、源頼朝から与えられた江間の地へと八重を送る。政子が懐妊し頼朝の嫡男誕生への期待が高まる中、比企能員比企尼を伴い鎌倉に出仕。さらに三善康信から推挙された官僚・大江広元らが都から下向し、新たな関係が動きだす。(NHKオンデマンドの解説より)

臨月となった政子は、乳母(めのと)に指定された比企家に行き、のちの二代目将軍・頼家を出産。が、赤子は身体が弱く、容態が安定しない。赤子にはよくあることと言われるが……

全成は、親の行動が災いとなって子が報いを受けている、と考えた。頼朝は政子が家にいないのをさいわい、愛人・亀の家に入り浸っていたのである。そのことを妻となった実衣に漏らす。実衣は姉がかわいそうだと、範頼に相談、範頼は時政に舅殿から釘をさすよう依頼、そばでそれを聞いたりくは政子に話してしまう。

怒った政子に、都には「後妻打ち」(うわなりうち)という習慣があると教える。政子は正妻で先妻ではないが、これを実行することを決意し、りくは兄の牧宗親が適任だと言い、兄には、大事にしたくはないから、門をちょっとだけ壊してくるように依頼する。

一連の出来事を知った義時は、義経に、亀の家を護衛するよう依頼。義経勢が家の周囲を固めていれば、牧は実行をやめるだろうと踏んだのだが、牧は義経に事情を話して、ちょっと門を壊すだけだからやらせろと交渉。事情を知った義経は、慕っていた義姉の意思だと知り、弁慶らに「派手にやれ!」と指示。屋敷を壊し、火をつけた。

事情を知った頼朝は激怒し、義経に謹慎を申し付けると同時に、首謀者の宗親の髻(もとどり)を切った。頼朝に抗議する政子とりくに対して威圧的・侮蔑的な言葉を発する頼朝に、時政が激怒。「ふざけるな! なにが頼朝だ! やってらんねえや」と言い捨て、伊豆に戻ってしまう……

雑感

テーマとしては、一癖も二癖もある坂東武者たちを束ねていく難しさを描いた回ということか。政子の出産を期して様々な役割を御家人たちに与えるが、素直に聞くものばかりではなく、上総広常などは明らかに不満ありげな態度を取り、義経は反抗する。

頼朝は、源氏本家の御曹司という「血」が売りで、源氏の棟梁として担がれているが、頼朝自身に絶大な力があるわけではなく、基盤は脆いのだろう。後ろ盾になる北条氏も低い身分の家柄で、周囲から決して重くは見られていない。時政のおっさんの軽い性格のせいもあるが……

東武者は(他の誰でも)自分の土地が大事、攻めてくる者は命がけで戦うが、わざわざ京都まで攻め上って平氏を滅ぼそうなどと、誰も真剣に考えていそうにない。頼朝自身も現在どこまで真剣に考えているか。考えているのは(領地を持たない)義経くらい?

政策強化のため、大江広元らを呼び寄せるが、果たしてうまくいくか。
(2022-03-30 記)



映画ランキング