窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「鎌倉殿の13人」(27)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第27話「鎌倉殿と十三人」

放送日

  • 2022年7月17日

登場人物

  • 尾上松也後鳥羽上皇
  • 関智一土御門通親後鳥羽上皇の後見役)
  • 高橋侃(結城朝光(七郎)、実衣の琵琶の師)
  • 西村成忠(小笠原長経(弥太郎)、頼家の側近)
  • Kaito(比企宗朝(三郎)、頼家の側近)
  • 成田瑛基(比企時員(弥四郎)、能員の子・頼家の側近)
  • 歩夢(中野能成(五郎)、頼家の側近)

今日の退場者

  • 文覚

概要

土御門通親から源頼朝の死を知らされ思案する後鳥羽上皇。鎌倉では宿老たちが居並ぶ中、新たに鎌倉殿となった源頼家が自身の方針を表明。これに北条時政比企能員は共に困惑し、梶原景時は賛辞を贈る。その様子を政子に報告した義時は、弟・北条時連と愛息・頼時を頼家のもとへ送り出し……。(NHKオンデマンドの解説より)

頼家が二代目・鎌倉殿として始動。まつりごとの基本は訴訟であると三善康信はいう。訴えのほとんどは土地に関するもの。御家人の領地を守ってやることで、いざという時に彼らは武器を手にして戦ってくれるのだと。訴えがたくさんきている、これを裁いて、これぞ鎌倉殿というところを知らしめてやりましょうと。

というわけで訴訟に手を出すが、実にくだらないことを言い争っているとしか頼家には思えず、バカバカしくなって奥へ引っ込むと、せつとつつじがマウントの取り合いをやっている。うんざり。

今のまつりごとは頼家の手に余ると判断した義時は、訴訟事は直接訴えず、文官四人+連絡係として梶原景時が、訴えの内容を精査し、ある程度形を作った上で最後の判断を頼家に仰ぐという形を取るのがよいのではということになった。それを知った比企能員は比企も加えろと言い、それを知った時政は自分も入れろと言い……とやり合っているうちに13人になってしまった。

それを知った頼家は、そこまで自分は信用されていないのかと傷つき、自分の親衛隊を作る。自分のまつりごとはこの者らとやる、自分は御家人など一切信用しないと言ってしまう……

頼家親衛隊

  • 小笠原弥太郎
  • 比企三郎
  • 比企弥四郎
  • 中野五郎
  • 江間太郎
  • 北条五郎

雑感

頼家が若く、思慮が及ばないところを見せつけた形だが、むしろ、御家人の頼りなさ、情けなさを見せつけられたと思う。

裁判沙汰を頼家が一人で片付けられるわけがない。双方の言い分を聞き取り、裏付けを取り、前例を調べ、……という膨大な事務作業が必要で、それをするのが文官の仕事だろう。そこに比企能員やら北条時政やらが加わって、何をしようというのだ。梶原景時の名があるのが気に入らないというなら、頼家への報告は大江広元に任せ、梶原景時の名を外せばよかったことだと思う。

また、5人のつもりが13人に膨れ上がったのは、景時にとっても義時にとっても想定外だったが、止められなかったということなのだろうが、頼家に隠れてこそこそ動いていないで、そのような経緯を逐一報告するべきだった。少なくとも表向きは、このメンバーを選ぶ権限は頼家にあるのだろうから、比企能員北条時政が、オレもまぜろと言ってきた時に、頼家の判断を仰ぐこともできたはずだ。わかっていて、頼家にも止められなかったのだとしたら、景時や義時に対してここまで不信感は持つまい。私は、景時と義時は下手を打ったと見る。「頼朝さまが死ぬのが早過ぎた」などと今さら愚痴っている場合ではないのだ。

一方、頼家にも言いたいことはある。頼家こそが鎌倉殿としてまさにふさわしい人物であると、御家人たちに知らしめる必要がある。それは何なのか、それをいち早く見つけ、実行することが必要だ。それが蹴鞠(しゅうきく、と言うらしい)だというならそれでもいいが、拗ねている場合ではないのだ。

頼家が親衛隊に、今後、都人と付き合う時には蹴鞠が大事と言って練習をさせる。その時太郎(金剛)は「われらの本文は弓と剣、こんなことをしている場合では……」と不満タラタラなのに対し、五郎(時連)は、「まあ、付き合ってさしあげようではないですか」と答えるのが対照的で興味深い。いつのまにか鎌倉に来た平知康が蹴鞠の指導をしているのも興味深い。
(2022-08-02 記)


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