題名 | メタモルフォーゼの縁側 |
---|---|
原作 | 鶴谷香央理 |
脚本 | 岡田惠和 |
監督 | 狩山俊輔 |
出演 | 芦田愛菜(佐山うらら)、宮本信子(市野井雪)、高橋恭平(河村紡、うららの幼なじみ)、汐谷友希(橋本英莉、河村紡の彼女)、光石研(沼田、印刷屋)、古川琴音(コメダ優、漫画家)、他 |
公式サイト | 映画『メタモルフォーゼの縁側』|大ヒット上映中 |
制作 | 日本(2022年6月17日公開) |
時間 | 118分 |
劇場 | イオンシネマ港北NT(スクリーン10) |
粗筋
佐山うららは高校生。母親と二人暮らし。本屋でアルバイト中。BL漫画が好きだが、そのことを誰にも言えずにいる。家の中でもBL漫画は段ボールに入れて机の下の奥に隠しているほど。市野井雪はお習字教室を営む老婦人。夫に先立たれ、一人娘も家を出て独立し、目下一人暮らし。きれいな表紙に引かれてジャケ買いした漫画がBLだったことをきっかけにBLに嵌まる。書店でうららにBLについて質問したことをきっかけに二人は仲良くなっていく。年の差58歳の友情物語。
感想
全体としては面白くなくもなかった、といったところ。
ストーリー自体は、予告で見た内容を2時間にわたって伸ばしたといえるもので、これといった意外性はない。うららはいわゆるコミュ障で、学校でもバイト先でもこれといった親しい友人はいない(河村紡がなれなれしくしてくる以外は)が、雪という「友達」ができた。雪の励ましもあって、漫画を描くことに挑戦し、見事に作品を描き上げ、コミティア出展も決め……と、少しずつ変わっていくかに見えたが、コミティアに雪が来られなくなると、販売を放棄してしまう。結局最後まで何も変わらなかった(ように見える)。どの辺がメタモルフォーゼ(変身)だったのだろうか。最後までうららが魅力的ではないため、作品にも今ひとつのめりこめない。
他にも気になることがいろいろと。
雪が在庫のない3巻を注文したり、届いた本を渡されたりするのがカウンターではなく店の中(書棚の前)で行なわれるのはなぜなのか。うららは雪の家に入るのに、なぜ玄関を使わず廊下から出入りするのか(そう指示したのは雪だが、この指示が謎)。河村紡がうららになれなれしくするのはなぜか。彼女がいたら他の女性と口を利いてはいけないとは言わないが、二股っぽく見えるのがイヤだ。英莉の留学は、合法的に紡と離れるためだったのでは、と勘繰りたくなる。
劇中でうららが描いたとされる作品「遠くから来た人」の全容が紹介された。絵は稚拙だが、話はすごく面白い。この映画のためだけに作られた作品のようだが、これは実際には誰が描いたのだろう。