ラブコメディ「麗しのサブリナ」

「パリの恋人」に続くデジタル・リマスター・ヘプバーン第二弾。本作は「ローマの恋人」に続く作品。

題名麗しのサブリナ(原題:Sabrina)
監督ビリー・ワイルダー
原作サミュエル・テイラーの戯曲「サブリナ・フェア」
出演ウォルター・ハンデン(オリヴァー・ララビー、実業家)、ハンフリー・ボガート(ライナス・ララビー、オリヴァーの長男)、ウィリアム・ホールデン(デイヴィッド・ララビー、オリヴァーの次男)、ジョン・ウィリアムズ(トーマス・フェアチャイルド、ララビー家の運転手)、オードリー・ヘプバーン(サブリナ・フェアチャイルド、トーマスの娘)、他
制作USA(1954年9月28日日本公開)
劇場新宿ピカデリー

内容紹介

サブリナはお抱え運転手の腕白娘。大富豪の次男、デイヴィッド・ララビーへの身分違いの恋に身を焦がしていた。デイヴィッドは女性に目がなく手が早く、二回結婚歴があり、きれいな女性に囲まれていた。どのみち立場が釣り合うはずもないサブリナは、父親の勧めでパリに二年間料理の勉強に行く。

パリから帰国したサブリナは、すっかり垢抜け、かつての腕白娘の面影はない。彼女を見たデイヴィッドは、エリザベスと婚約中であったが、たちまちサブリナに恋をし、結婚したいと言い出す始末。そんな矢先にデイヴィッドは怪我をして動けなくなり、サブリナのエスコートをライナスに依頼する。

デイヴィッドとサブリナの結婚に反対のライナスは、うまくサブリナを説得してパリに追いやってしまおうと考えるが、次第に彼もサブリナに惹かれていく……

雑感

お抱え運転手の娘だから、雇用主の息子と結婚するのが身分違いというロジックは、当時だから成り立つもので、今なら「本人が好きならいいんじゃないの」で終わりだろう。反対する人もいるだろうけど、身分が違うという理屈は説得力を持たない。それ以外は今でも十分通用するベタなラブコメディである。

ベタではあるが、軽快に話が転がっていくので、最初から最後まで楽しめる。まあ、よくできた作品である。

一点だけおかしいと思うのは、最初に登場した時のサブリナは、確かに芋ねーちゃんである。見た目もパッとしない。しかし二年間のパリ生活を追えて帰国したサブリナはすっかり垢抜けていた、というのがこの話の肝なのであるが、見た目がたいして変わっているように見えなかった。これが残念。もっと変化を出すことはできなかったのか。

「パリの恋人」でも同じことを感じたけれど、ヘプバーンは眉が異様に太く、鼻の穴が大きく、髪型も変で、とても美人に見えないのだ。時代による美意識の変化では説明がつかない。エリザベスは十分、美人に見えた。また前作「ローマの休日」では眉はさほど太くはなく、ヘプバーンはとても可愛くキュートに映ったのである。

サブリナがライナスにパリの魅力を語って、「パリは雨の日が一番」だと力説するシーンがある。このセリフは「ミッドナイト・イン・パリ」にもあった。ギル・ペンダーが、パリは雨が一番だ、傘なんかいらないと言うのだ。イネスは「雨の日に傘をささないなんて馬鹿みたい」と言い、ラストシーンでガブリエルはギルに賛成するという……。「パリは雨の日が一番」というのは、パリを知る人にとっては当然のことなのだろうか? 傘は必要ないのか? それともサブリナが言ったから、ギルはそれを倣っているのか? ちょっとパリの観光案内のサイトを読み漁ってみたが、雨の日に傘をささずに散歩するのがお薦めであるというような記述は見つからなかった。

配役

今日の英語

  1. "Prosit!"(「乾杯!」)←ドイツ語らしい
  2. "My brother has a pretty girl. I wish I were a brother."(「私は弟と代わりたい」)

英語の参考書で必ず出てくる例文に「I wish I were a bird.」があるが、まさにその通りの文章が会話の中に出てきたため驚いた。

  1. "I'm a first fever."(「治りが早い」)

Academy Award

主演女優賞にノミネートされている。