TOHOシネマズのバック・トゥ・ザ・シアター企画。本当は「グッド・ウィル・ハンティング」を観るつもりだったが、前日で終了していた。短い!
題名 | ドラゴン 怒りの鉄拳(Fist of Fury) |
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監督 | ロー・ウェイ |
出演 | ブルース・リー(チェン)、ノラ・ミャオ(ユアン)、橋本力(鈴木寛)、ジャッキー・チェン(スタント)、他 |
制作 | 香港(1974年7月20日日本公開) |
時間 | 102分 |
劇場 | TOHOシネマズ 日本橋 |
内容紹介
舞台は1909年、上海における日本人租界での出来事。中国武術の大家フォ・ユェンジャア(実在の人物)が謎の死を遂げる。弟子のチェンは、日本人武術家の鈴木寛(率いる一派)の仕業であると嗅ぎつけると、殺人に関わった人間を次々に殺し、復讐を遂げていく。しかし、租界において日本人に逆らうのは大変なことであり、精武館の仲間たちも殺されていく……
雑感
小学生のころ非常に流行った「ブルース・リー」による「ドラゴンもの」だが、一度も映像で見る機会がなかった。40年経ってようやく思いを遂げることができた。
格闘技映画(特にカンフー映画)の古典であるから、なるほどこういうものでしたかと拝謁していればそれで十分ではあるが、現代の視点では気になることもある。以下に列挙。
- ストーリーは見るものがない。オリジナルビデオレベル、といってはOV関係者に失礼か。特に、いくら日本人に逆らえないといっても、明らかに鈴木一派によって地元の人間が何十人も殺されていながら、何も問題にならないのは納得しがたい。
- 精武館の教えは、武道というのは自分を鍛えるためであって他人と競うものではない。だから他流試合はしない。挑発されても乗らない。というのだが、降りかかる火の粉すら払えないようでなんの武道か。
- 鈴木の運営するのは柔道場のはずであり、実際、練習では柔道の技をかけていた。が、いざ喧嘩となると拳法の技を繰り広げる不思議。
- 日本人の穿いている袴がうしろまえ(有名な事実。橋本力が逆だと指摘しても直さなかったとか)。
- セリフと演技(口の動き)が合っていない。アテレコなんだと思ったら、その通りなのだが、そもそも声を当てているのは俳優とは別の人なんだとか。香港映画では俳優と声優が別人というのが普通だったそうだ。あれはりーの声ではないのか……
- リーの拳法は、なるほど確かに速い。動きが派手で華麗だ。この手の格闘技を初めて見た人が熱狂したのはわかる気がするが、空手や総合格闘技がすっかりポピュラーになった今の目で見ると、蹴りもパンチももっと体重を乗せないと、あんな腰の入っていない打撃ではダメージは与えられないはず(それなのに、体重で勝る選手がリーの蹴りやパンチでよろめいたり倒れたりする不思議)。特に、当たっているように見えないため、余計に嘘くさく見えてしまう(実際、わざと当てていないのだとか)。
- リー自身の格闘家としての腕前は知らないが、少なくとも映画で見せている「技」は殺陣のそれであり、格闘技のそれではないことはわかった。