もう少し突き抜けたものがほしかったか?「ギャラクシー街道」

どうもあまり評判がよろしくなく、風当たりが強いらしい。傑作だと持ち上げるつもりはないが、時間分は十分楽しめたと思っている。

題名ギャラクシー街道
監督・脚本三谷幸喜
出演香取慎吾(ノア、サンドサンドバーガー・コスモ店店長)、綾瀬はるか(ノエ、ノアの妻)、大竹しのぶ(ハナ、サンサンバーガーのパート職員)、優香(レイ、ノアの元カノ)、梶原善(ババサヒブ、レイの夫)、遠藤憲一(メンデス、リフォーム業者)、小栗旬ハトヤ隊員、警備会社の派遣社員)、阿南健治(トチヤマ隊長、ハトヤ隊員の上司)、秋元才加(マンモ隊員、ハトヤ隊員の恋人)、西川貴教(ズズ、カエル型宇宙人)、山本耕史(ゼット、風俗店のポン引き)、石丸幹二(歯科医)、田村梨果(イルマ、風俗嬢)、佐藤浩市(ゼットの客)、西田敏行(堂本博士、ノアの悩み相談の相手)、段田安則(ハシモト、国土交通省の役人)、浅野和之(謎の道化師)、他
公式サイト映画『ギャラクシー街道』公式サイト
制作日本(2015年10月24日公開)
時間109分
劇場TOHOシネマズ 新宿(SCREEN 6/117席)

内容

ハンバーガー好きのノアは、夢がかなってギャラクシー街道沿いにあるハンバーガーショップ「サンドサンドバーガー・コスモ店」の店長を務めるようになった。ここは宇宙バスのバス停があるが、最近は乗降客数が減ってきており、売り上げは落ちる一方。ノアはすっかりやる気をなくし、地球へ帰りたいと願うようになる……

雑感

前評判はすごくて、週末興行では初登場一位。「清須会議」も「大空港」もたいへん面白いと思っていたので、ぜひ観たかった。意気込んで観た割には思ったほどでもなく、ガッカリしなかったかといえば嘘になる。しかし、詰まらないとも思わなかった。自分は十分笑わせてもらったし、時間分のモトは取ったと思っている。

批判的な人の気持ちもわからなくはない。とにかく下ネタが多い。山本耕史石丸幹二、田村梨果との一連のやりとりは、この三人がそれぞれ別の星人であるという点を除けば繁華街の片隅で日々繰り返されているであろうことと何一つ変わりはなく、ギャグでもなんでもない(「ああいうこと」自体がギャグなんですよというテーゼなのかも知れないが)。少なくとも子連れで、あるいは夫婦・恋人同士で見て楽しめる内容ではない。

これは綾瀬はるか遠藤憲一のやり取りも同様で、妊娠騒動もそうだけど、遠憲の服装には引いた。近年ではあの手のことがテレビのバラエティなんかでもギャグとして取り上げられることがあるようだが、生理的に受け付けられない人は少なくなかろう。

一方、小栗旬阿南健治小栗旬秋元才加の一連のやりとりは個人的にはバカ受けであった。ただ、この面白さは「ウルトラセブン」をリアルタイムで見た世代しかわからないか知れない。劇場でも笑っているのも自分だけだったし。でもねえ。阿南健治の髪型がキリヤマ隊長そっくりでさー、もうそれだけで笑えるワケよ。そして小栗旬がムキになるところ。秋元のいかにも現代風な振る舞い。

あと、浅野和之が登場時間が長い割にほとんど全く喋らないのだが、パントマイムが受ける受ける。とにかく見ていて飽きない。「女子ーズ」における「佐藤二朗」の顔芸に匹敵するぐらい。

もうひとつ、個人的には優香がとても色っぽくてきれいだったのは得点が高い。優香の登場作品は、今年の大河ドラマのほか、「この世界の片隅に」、映画では「体脂肪計 タニタの社員食堂」「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」「悪夢ちゃん The 夢ovie」とそれなりにいろいろ見ているけど、「色気がある」と思ったことはなかった。今回は服装のせいもあるものの、これまでにない魅力に気付かせてくれた点はよかった。

ま、舞台が宇宙空間であるという点を除けば、至って普通の話ではあった。

その他

西暦2265年という設定だが、なぜか古い少年ジャンプと少年マガジン(チラと見えた連載漫画からすると昭和40年代後半ぽい)が積まれていた。何百度目かの「昭和リバイバル」か?

配役

本作で僕に不満があるとすればキャスティングである。率直に言って、主役を務めたお二人は、主役を張るには、演技が平板で、魅力に乏しいと思う。その証拠に、ノアとハナ、ノエとハナのシーンでは、芝居は完全にハナに喰われていた。大竹しのぶとの役者としての技量の差である。小栗旬のパートが面白かったのは、小栗が(阿南と秋元も)きちんと芝居をしていたからだ。三谷監督はこのお二人が好きなようだが、どこに魅力を感じているのだろうか。
(2015年11月11日 記)