題名 | 危険なプロット(原題:Dans la maison) |
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監督・脚本 | フランソワ・オゾン |
原作 | フアン・マヨルガ |
出演 | エルンスト・ウンハウアー(クロード・ガルシア、高校生)、バスティアン・ウゲット(ラファ・アルトール・フィス、クロードのクラスメイト)、エマニュエル・セニエ(エステル・アルトール、ラファの母)、ドゥニ・メノーシェ(ラファ・アルトール・ペール、ラファの父)、ファブリス・ルキーニ(ジェルマン、国語教師)、クリスティン・スコット・トーマス(ジャンヌ、ジェルマンの妻)、ヨランド・モロー(ロザリー/ウージェニー、双子の画廊オーナー)、他 |
公式サイト | 映画「危険なプロット」公式サイト |
制作 | フランス(2013年10月19日日本公開) |
劇場 | ヒューマントラストシネマ有楽町 |
内容紹介
作文の宿題で、クロードはラファの家へ遊びに行った時のことを書く。家の中の様子やラファの両親(特に母親)の様子を観察し、描き出す筆致はどこか隠微な魅力がある。エスカレートすることに寄る危険な匂いを感じつつも、文才を感じ、特別指導を施すようになる。
覗きがエスカレートし、エステル夫婦の性行為まで覗き見するようになる。それ自体も問題だが、やがて何が起きるかを想像しながらラファ家に小石を投じるようになる。たとえば、クロードがラファ家で歓迎されるためには、家庭教師役として有能であることを示す必要があり、そのためにはラファが試験でいい点を取ることが必要であり、そのためにジェルマンは試験問題を事前にラファに教えるという違法行為にまで手を染めてしまう……。
雑感
小説には「奇妙な味わい」といわれる分野がある。ロアルド・ダールや阿刀田高の短編などがその代表とされる。この作品も、何やらダールやサキの小説を読んだあとのような奇妙な印象が残った。まさに「奇妙な味わい」の作品である。
クロードはジェルマンが思うほど文才があったのだろうか。クロードを通じて出歯亀的好奇心を押さえられなくなっただけのような気もする。
クロードがラファ家に興味を持った理由はどこにあるのか。家庭的に恵まれていなかったクロードにとって、理想の両親に見えたのか、それともエステルに女として魅力を感じたのか。高校生くらいの男の子が経験豊富な歳上の女にイカれるのはありがちだし、後半では二人の関係を想起させるシーンも出てくるが、もしそうならエステルの夫にもっと嫉妬してもいいのにそうでもなく、ラファ父も慕っているように見えるから不思議。
劇場
ヒューマントラストシネマ有楽町に行くのは初めて。有楽町界隈はいつもうろうろしているため、すぐにわかると思ったが、地図がわかりにくく、探すのに時間がかかった。わかってみれば駅に近く、便利な場所だが。
リンク
- 虚か実か 芸術の迷宮(読売新聞、2013/11/01)