窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

芝居的映画「8月の家族たち」

題名8月の家族たち(August: Osage County)
原作トレイシー・レッツ
監督ジョン・ウェルズ
出演メリル・ストリープ(バイオレット)、サム・シェパード(ベバリー、バイオレットの夫)、ジュリア・ロバーツ(バーバラ、バイオレットの長女)、ユアン・マクレガー(ビル、バーバラの夫/別居中)、アビゲイル・ブレスリンジーン、バーバラの娘)、ジュリアン・ニコルソン(アイビー、バイオレットの次女)、ジュリエット・ルイス(カレン、バイオレットの三女)、ダーモット・マローニー(スティーブ、カレンの婚約者)、マーゴ・マーティンデイル(マティー・フェイ、バイオレットの妹)、クリス・クーパー(チャールズ、マティーの夫)、ベネディクト・カンバーバッチ(リトル・チャールズ、マティの息子)、ミスティ・アップハム(ジョナ、住み込みの家政婦)
公式サイト映画『8月の家族たち』大ヒット上映中!
制作USA(2014年4月18日日本公開)
時間120分
劇場TOHOシネマズ シャンテ

内容紹介

父が死に、葬儀のために家族がオーセージ郡にある家に集まったが……という話。

長距離移動の様子も描かれるし、登場人物は多いし、人々はそれなりに動き回るけど、なんだか最近よく見る芝居のような映画だな……と思ったら、原作は戯曲だった(「おとなのけんか」「愛の渦」と同じタイプ)。

雑感

ブラックコメディと紹介されていたが、どのあたりがコメディなんだかよくわからない。家族の崩壊を描いた作品に見えた。クスリ中毒と痴呆の入ったバイオレットはともかくとしても、とにかくみんな口が悪いし、素行にも問題あり。あまり後味のよい作品ではなかった。

客席では複数箇所からいびきが聞こえた。うるさかったけど、気持ちはわかるよ……

配役

ジーンは14歳だが演じたアビゲイル・ブレスリンは18歳(撮影時は17歳)。17歳はladyだけど14歳はchildだ。その「子供」であるジーンに対していい歳をした「大人」が(しかも叔父にあたる人物が)手を出そうとしたところに悲劇性というか異常性があるわけで、アビゲイルがこの役に相応しいとは言えないのではないか。

とはいえ、アビゲイルは2013年には「ザ・コール」「エンダーのゲーム」そして本作と、3作も大作に出演したわけで、今が旬の売れっ子なんだなあと思う。

タイトル

OsageはALCによれば「アイオワ州オクラホマ州などにある地域や町の名前」となっている。アイオワオクラホマではかなり距離があるが、要は特定の場所を指すのではなく、イナカによくある町の名前、ということだろうか。

日本語タイトル

8月の家族「たち」と複数形になっているのはイヤだなあ。バイオレット・ベバリー夫妻、マティ・チャールズ夫妻およびその息子との関係、バーバラとビルの関係、娘ジーンとの関係、……と多くの夫婦、親子関係が提示されるから「複数」ということなんだろうけど、全員がひとつの家族でもあるし、そもそも日本語ではこうした複数形は使わない。

今日の英語

  1. Die after me, all right? Survive.(私より先に死なないで。生き抜いて)

日本語では「死なないで」になるが、英語では肯定文なのが興味深い。

Academy Award

メリル・ストリープが主演女優賞、ジュリア・ロバーツ助演女優賞にノミネートされた。ジュリアはともかく、メリル・ストリープのあの鬼気迫る演技はノミネートも当然だ。彼女はこれで最多ノミネート記録を更新。ケイト・ブランシェットがオスカーに相応しかったかどうかは、これから「ブルージャスミン」を観ないとなんとも言えないが。

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