第10週「ノアザミ」(金)
放送日
- 2023年06月09日
登場人物
- 田村芽実(大畑佳代、大畑義平の娘)←今日は出て来ていない。前回か、前々回の登場
概要
万太郎は、画工の岩下から石版に絵を描くことを許され、ヒルムシロを描く。出来は今一つだったが、“本物を伝えるために描きたい”という万太郎の想いを理解した大畑はその情熱に感心する。ある日、寿恵子はダンスの練習の帰り道に、ノアザミに話しかける万太郎を見かけるが、思わず身を隠してしまう。そのまま二人はすれ違い……。(NHKオンデマンドの解説より)
今日の大畑印刷
大畑義平「これは実物を見て本物を知ってる者にしか描けない絵だな」
岩下定春「ええ。本物を伝えるための手だてとしての絵だ」
感想
大畑印刷は本当に万太郎から金をもらっているのか? だとしたら、掃除なんかさせずにさっさと石版に絵を描く練習をやらせりゃいいと思うが、とにかく手伝いを始めて三週間、早くもチャンスをもらった。出来上がった絵は、初めてにしては上出来。他の工員が、絵としてはイマイチだと言うと、義平と岩下は、万太郎は良い絵を描きたいのではない、本物を伝える絵を描きたいのだと理解を示す。
寿恵子は高藤と組んでダンスの練習。息の合ったところを見せ、これなら発表会もバッチリだと高藤も喜ぶ。帰りがけに高藤弥江を見たので、「奥様はダンスをなさらないのですか」と尋ねたが、弥江は無視、弥江の侍女(?)が、世が世なら直接口などきけない方なのですよ、と言い捨てる。馬車で家まで送ってもらうが、道をちょとちょろ歩く庶民に「邪魔だ、どけどけ」と声を荒げつつ、猛烈なスピードで疾走する馬車の中で、寿恵子はもう少しゆっくり走ってはと鹿島に話すが、鹿島は、これでもゆっくり走っていると言い、町の人を見て、あのような薄汚い者たちがいる限り、西洋には追い付けないと嘆く。
見てくれにこだわらず、本物を追求する万太郎たち。一方で、形式にこだわり、身分にこだわる者たち。高藤も、西洋に後れを取っている現実を何とかしたいと思っていることに変わりはないが、洋装をし、西洋音楽を嗜み、ダンスを踊ればそれがかなうのか。