窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「らんまん」(051)

第11週「ユウガオ」(月)

放送日

  • 2023年06月12日

登場人物

  • 三上一朗(白川永憲、元老院議官)

概要

万太郎は、昼間は大学で研究、夕方からは大畑の印刷所で仕事に打ち込み、雑誌創刊のための技術を日々磨いていた。できるかぎりの速さで寿恵子を迎えに行くために――。そんなある日、竹雄が働く店に寿恵子と高藤がやってくる。高藤家に寿恵子を迎えたい、返事は舞踏練習会の発足式の日に、という話を聞いてしまった竹雄は、慌てて万太郎に伝えにいく。(NHKオンデマンドの解説より)

高藤は、寿恵子が白川家の養女となる話を進めていた。寿恵子は、まだ高藤の申し出に返事をしていないにも関わらず、OKする前提で話がどんどん進んでいることに驚く……

今日の竹雄と万太郎

「さっさと名乗ったらええですろうが」
「名乗るき。わしが、わしを認めたら」

感想

「こんなところに呼び出して済まないね」と店の中で言うことに始まり、高藤・白川の言うことはドン引きすることばかり。根津の菓子屋の娘では高藤家に釣り合わないから白川家の養女とする(とは言わず、口さがない連中から寿恵子さんを守るためだと言うが……)。弥江は妻だというだけで女ではないと言い放ち、男子が生れなければ離縁されても仕方がない、そうなってもあれは文句を言わないだろうとも言う。

二人とも、失礼なことを言っている自覚はなく、寿恵子を喜ばせようと一所懸命なのだ。慣れぬ洋食でフォークを落としてしまった寿恵子を見て、ボーイ(竹雄だが)にお箸を持ってくるよう言いつけ、少しずつ慣れていけばいいと声をかけるなど、親切でもあるのだ。

こうした話を聞いて、私はそれだけ大事にされているのだ、思われているのだと考えず、どんどん気持ちが醒めていく寿恵子の方が、この時代の女子としては変わっているのかも知れない。

現代の一般的な感覚とはかけ離れており、むろん、視聴者が高藤・白川に嫌悪感を示すことを想定してのやりとりだが、実は万太郎のしていることも五十歩百歩ではないか。植物学者として一人前にならなければ寿恵子さんを迎えられないというが、それは万太郎の一方的な都合だ。寿恵子にしてみれば、いつの日か立派になった万太郎が迎えに来るのを待つより、今、万太郎と一緒に、万太郎の見ているものを見たいだろう。

まあ、現実問題、無職無収入では嫁は取れない。それに万太郎は、両親(実際はまつと文太)にははっきり伝えているのだから、問題はそれを本人に教えない母まつにあるとも言えるが。

竹雄の「万太郎」呼びはなかなか斬新だ。でも名前だけは呼び捨てだが敬語を使っているところがオカシイ。


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