窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「らんまん」(052)

第11週「ユウガオ」(火)

放送日

  • 2023年06月13日

概要

万太郎の石版印刷の技術は、ついに万太郎自身も納得のいくレベルになり、刷り上がりを見た竹雄も驚く。万太郎は、大畑とイチに植物学雑誌の印刷を注文する。一方、田邊教授は、万太郎に雑誌を作る許可を与えたものの、出来が悪ければ全て燃やすつもりでいた。それを知った助教授の徳永は……。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の教授と助教

「大窪からの報告では、牧野は石版印刷の技術まで修得したそうです、授業料まで払って」
「そう」
「原稿集めや校正にも多大な時間を使うのでしょう」
「すべて自分が好きでやったことだろう」
「そうなのですが、学生と年の変わらぬ者にすべてを負わせるのは、いささか……」
「なんだ、牧野は甘やかすなと言ったのは君だろう。矛盾の塊りだな、君は」

今日の徳永と万太郎

アサガオヒルガオ、ユウガオ、ひとつだけ異なるのはどどう、れ、だ」
「ユウガオです、アサガオヒルガオはセンカ科ですけど、ユウガオはコロ科でウリの仲間です」
「正解」
「はい」
「だが私はユウガオが好きだ」
「どうしてです」
源氏物語に出て来るからだ。私は……私は、日本文学が好きなのだ」

感想

徳永は、牧野のことを嫌っているのではなく、恐らくは秩序を重んじているのだ。だから小学校を中退したような人をいきなり大学の研究室に出入りさせることが秩序崩壊につながるのを恐れているのだ。牧野の力や努力は認めていて、石版印刷の技術を、授業料まで払って修得したことを、ちゃんと知っている。

夕方、万太郎は例によって花を見ている。今はヒルガオとユウガオが両方見られる時間だと。これからヒルガオの花は終わり、ユウガオの花に移っていく。これは、今まで万太郎を可愛がり、彼の言うことを受け入れてくれた田邊教授と、彼を毛嫌いしている(ように見えた)徳永の印象が、視聴者にとって今回の一件で逆転したことの暗示だとするのは、考え過ぎだろうか?

アサガオヒルガオ、ユウガオの中でユウガオだけは異種なのだそうだ。これは、植物学研究室の中でもともとは法学者を志望していた自分のことを指しているのか、小学校中退という異質な学歴を持つ万太郎のことを指しているのか。

学会誌の名を冠する以上、学会の期待する水準に達していなければならないのは当然である。だから、掲載する論文については教授に目を通してもらい、指導を仰ぐことになるだろう。印刷したあとで初めて見てもらい、「これはレベルが低いから燃やすよ」という話にはならないと思うのだが。


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