思い出のシーン

あれこれ書いたが、自分としてはまだまだ語り尽くせない(笑)。一応、日記で書くのはこれを最後にしよう、と思ってる。今は。

映画で紹介された湾岸署ドットコムって本当に存在したのね。まあ、架空のサイトを紹介するわけはないけど……そこからたどると「ネタバレ掲示板」にたどりついて、ディープな話にすっかり没頭してしまっただよ。

今回の映画で思い出に残るシーンはどこか? いろいろな人がいろいろな場面をあげている。もちろん、それはそれぞれに思い出深い場面だ。しかし、上記掲示板では誰も挙げていなかったが、印象的な場面として、敢えて僕は次の場面をあげてみたい。

それは、本部の仕事に振り回されて自分たちの事件に手がつけられず、イライラする青島や恩田に対して、沖田仁美が、

「所轄の仕事なんかどうだっていいでしょう!!」

と言い放つ場面だ。

まず第一に、凛と澄み切った通る声は、さすがに舞台経験の長い役者だと感心した。映画とかテレビだけに出ている人は、ああいう見得の切り方はなかなかできない。

あのような言い方をされて、所轄の連中は完全にクサってしまうのだけど、ちょっと待って。このようにはっきり言ってくれる上司は、むしろありがたいのではないか?

人の神経を逆撫でするような物言いについては、オトナのココロでちょっと置くとしよう。すみれさんは「事件に大きいも小さいもない」と言うが、同時に事件が起きて、両方に人を当てることができないとしたら、スリの犯人と連続殺人犯と、どちらを追いかける? スリの被害に遭った人は、早く犯人を捕まえてくれ、と思うかも知れないけど、その人だって、自分が次の被害に遭うかも知れないとなった時に、殺されることと財布を掏られることのどちらがいいかといえば、答えは明らかだろう。

だが、自分の担当、となると、いくらやむを得ない事情とはいえ後回しになれば責任も感じる。また、周囲から「アレはどうなった」と文句を言われることにもなる。だから、大局に関わらず、どうしても個人的なプライオリティは高くなってしまう。その時、優先順位はこうつけなさい、これとこれは、こちらが解決するまで手をつけなくていい、というようにはっきり示してあげることは、リーダーの大切な役割だと思うのだ。

映画でも実際に袴田課長が「なんだって目の前に婦女暴行やスリの被疑者がいて取り逃がしたの!」といって青島や恩田を怒るシーンがある。この時は室井が「私たちが動くなと言ったのです、二人の責任ではありません」とかばう。わざわざかばう室井も偉いが、彼が出てこなくても、沖田管理官が「動くな」と言ったのは事実であり、それはその時捜査に関わっていた人全員が知っていることだ。彼女は決して「別にあんたたちを24時間拘束しているわけじゃないんだから。空いている時間にやればいいでしょ」みたいな責任逃れの言い方はしない。「やらなくていい」とみんなの前で宣言しているのだ。

もちろん、この事件が解決して自分が本庁へ戻った後の所轄がどうなろうが、知ったことではないというのもあるだろう。地域の安全を預かる所轄の人間にしてみれば、やらなくていいと言われて「はいそうですか」とは言えない。いちいち癇に障る言い方も問題だが、それはそういう役なんだから仕方がないとして(笑)。

それらを踏まえた上で、それでも部下に対してプライオリティを明確に指示した上記のひとことは、やはり沖田女史の優秀性を示すものだと僕は受け取りたい。僕がもし彼女の立場だったら、絶対に言えない。そして、メンバーは各自勝手な価値観・勝手なプライオリティで動き、最も重要で最も人力を集めなければいけない業務に人が集まらず、動きが取れなくなる。ってそれはうちのプロジェクトのことかー!!(涙)