TV第1話「サラリーマン刑事と最初の難事件」

出演

物語

殺人事件発生。新たに湾岸署に赴任してきた青島刑事は張り切って現場に行くが、捜査をさせてもらえない……!?

解説

お台場は、今から振り返ると感慨深いが、当時は青島都知事の都市博中止のあおりをくらって、至るところ空き地だらけの未開発エリアだった。東京テレポート駅は、当時の臨海副都心線の終点だ。この巨大な空き地に「青島」という名前の刑事が赴任してくるところから、ドラマが始まる。

それにしても、新しい刑事ドラマが始まると思って見た多くの視聴者はさぞ驚いたことだろう。主人公が捜査をしない。拳銃を撃たない。逮捕もしない。その上取り調べ中の被疑者に愚痴を言い始めるのだ。

従来の刑事ドラマには描かれなかったキャリアとノンキャリの対立という構図はいうまでもないが、警察組織を徹底的に取材した結果、現実に即して次のようなやり方を採った。

  • 警察手帳を見せる時に、ちゃんと見開きで写真を見せる。これまでのドラマは表紙を見せるだけだった
  • 取調べの時はドアを開ける。密室で不当な取調べが行なわれることを防ぐため
  • 拳銃を携帯しない
  • 刑事のことを「捜査員」と呼ぶ。「デカ」とは言わない
  • 「被疑者を確保する」という言い方。裁判で確定するまでは「犯人」ではない

こうしたスタイルは、今では多くのドラマで普通に見られるようになったが、すべて「踊る」から始まったものだ。このようなディテールのこだわりがリアリティを生み、新しい刑事像を見せることになった。もっとも、時として大胆な嘘も混ぜている。真下が必死で受験勉強をしているが、実際には昇進試験というものはない。

戒名決めのシーンは、これほど面白い場面になるとは事前に全く考えていなかったという(途中からはアドリブだそうだ)。この盛り上がりが、署長たち幹部の存在を方向づけたが、この時点では署長・副署長・刑事課長の三人をセットで売り出す考えはなかったのだろう。本庁からの刑事を見送る場面では三人が並ぶが、青島の面接(?)シーンでは署長の横に副署長が控えているものの、刑事課長の顔は見えない。捜査会議では副署長と刑事課長はいるものの、署長の姿が見えない。戒名決めのシーンは、下出警部を含めて4人で行なっている。映画化以降は常に三人でセットになってしまったけれど、パターン化され過ぎた嫌いがある。

戒名が決まったあと、ちらりと姿を見せる、いかもにOL然とした婦警二人組が印象的。今回は名前が出てこないが、かわいい方が山下圭子である。覚えておこう。

中西係長が恩田すみれを呼ぶ時の「恩田君恩田君恩田君」は初回からスタート。これは中西役の小林すすむのアドリブだが、のちに脚本にもちゃんと3回書かれるようになったとか。

「だるま」は早くも和久の台詞として登場している。これからたびたび湾岸署御用達の居酒屋として登場することになる。

青島は交番勤務時代にもらったというお守りに思い入れを見せる。

真下は一人だけインカムを使っている。第二話で話の都合上、青島にインカムを使わせたいが、そこでいきなりインカムが出てくると唐突過ぎるため、第一話から使ったらしい。が、真下のキャラを特徴づける小道具になっている。

初回ということもあり、見所が多い。のちの話へのリンクも多い。

1997年1月放映、視聴率18.7%。のちに大ブームを巻き起こす「踊る大捜査線」は静かにスタートした。

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