- 第8週「めぐりあい わかれゆく」
放送日
- 2025年5月20日(火)
登場人物
- 中島歩(若松次郎)
- 高橋岳則(兵事係)
概要
朝田家に上品な婦人が訪ねてくる。その婦人は、夫が結太郎にあるお願いをしていたと話す。後日、のぶは結太郎と話したことがあるという息子の次郎に会いに行く。次郎の口から結太郎のソフト帽の話が出て、のぶは顔をほころばせる。そのころ嵩は、便せんを前にペンを握りしめるも、なかなか手紙を書くことができないでいた。そんなある日、朝田家にある報せが届き……。(NHKオンデマンドの解説より)
感想
豪戦死の報が届いた。前回、蘭子が豪を思っているシーンがやたらに強調されていたから、今日はもしかしてと思っていたら、スタッフロールで「兵事係」と出たのを見て不安が確信に変わった。
訃報はまず釜次の手に届けられた。ワナワナと震えつつゆっくり兵事係に近寄る。どうするのかと思ったら、押し殺したような声で「ご苦労様でございました」とつぶやく。兵事係が一礼して去った後、雄叫びを上げる……嗚咽を漏らす。「豪よぉ……」との聞こえる。声を聞いて蘭子が「おじいちゃん?」と近寄って来る。そして釜次が手に持っている紙を見て……
この時蘭子の顔をかなり長く映していた。蘭子の表情に対する制作側の信頼度の高さが見て取れる。誠に不謹慎だが、明日、蘭子がどう振る舞うのか、楽しみでもある。
さて、前回のラストで朝田家を訪ねて来た若松節子は、夫が船乗りで、海外出張の多かった結太郎と付き合いがあった。はちきんのぶの話を何度も聞かされ、船乗りは家を空けることが多いから、妻は気が強い人がいい、息子が船乗りとして一人前になったら嫁に、と約束をしていたのだという。
まだ結婚する気はないのぶは、数多の見合い話を断わっていたが、亡き父の話が聞けるかもしれないと思い、見合いを承諾した。付き添いの羽多子も恐らくは似たような気持だったのかも知れない。
次郎はカメラが趣味だという。のぶに尋ねる。戦争はいずれ終わる、その時のぶさんは何をしたいですか、と――。以前たかしが「戦争が終わったら、銀座に来てほしい」と言った時は、何を緩いことをと全く話が入っていなかったのぶだが、今回改めて「その時」のことを考えたのではないか。いつまでも戦争は続かないのだ。