- 第8週「めぐりあい わかれゆく」
放送日
- 2025年5月21日(水)
登場人物
概要
豪の戦死の報せに、悲嘆する朝田家。皆が口々に「豪は立派だった」と言う中、押し黙る蘭子。一晩中眠れない蘭子に、のぶはかける言葉がない。(NHKオンデマンドの解説より)
今日のヤムさん(とのぶ)
「一度だけ豪と釣りに行った。出征する前、会っておきたい女はいないのかと訊いたら、毎日会ってますだと。あいつはお国のために死ねて、今ごろ本当に喜んでいるのかね。立派だったって言ってやらねえといけないのかね。愛国の先生」
今日の蘭子(とのぶ)
「みんなが立派やと言うたびに、何べんも何べんも聞くたびに、うちは悔しゅうてたまらん」
もうひとつ、今日の蘭子とのぶ
「豪ちゃんの戦死を、誰よりも蘭子が誇りに思うちゃらんと」
「お姉ちゃん本気でそう思うちゅうがかえ」
感想
葬式の最中も泣かず、気丈にしていた蘭子が外に出て、豪のことを思い出す。石に槌を振るっている豪に届け物を。その時鼻緒が切れてしまった。自分の肩に手をつき、膝の上に足を置くよう指示をして、手早く鼻緒を直す豪。そんなに素早く直さんでもええんよ、とでもいうのか、嬉しそうに、恥ずかしそうにほほえむ蘭子。
朝ドラ史上屈指の美しいシーンだったが、そこへ「江藤農相 石破首相に辞表提出」のテロップが流れた。このシーン、役者も、監督も、カメラも、その他大勢の人が魂を込めて撮影したんだろうに、誰が、どんな権限があって台無しにしたのかと思う。みんながこのシーン良かったねと言うたびに、何べんも何べんも聞くたびに、うちは悔しゅうてたまらん。
今回はのぶもつらい立場だ。長い間ずっと一緒に暮らしていた人、義弟になるはずだった人、その人が亡くなって悲しくないわけがない。もともと忠君愛国の教えに違和感を持っていたのぶが愛国にのめり込んだのは、豪のために何かしてあげたい、が発端だった。のぶだって豪に生きて帰って来てほしかったはずだが、いざ亡くなると、立派だった、誇りに思えと口にする。
自分の教えている子どもたちが、将来は兵隊さんになってお国のために尽くしたいです、と発言するのを目を細め、褒めそやしていたのぶだが、豪の葬式に来て手を合わせ、同じセリフを言った教え子に、「そうなさい」と言っていいのか、迷いが出て来た(はずだ)。
羽多子は「泣きなさい。思い切り泣いたらえい」と言って蘭子を抱き、蘭子は「豪ちゃん、豪ちゃん」と泣き崩れる。羽多子も夫を亡くしているが、泣いている姿はドラマ内では見せていない。人知れず泣いていたのか。
豪のおばあちゃんはどうなったのか気になる。連絡先を朝田家にしておいたのはわかる、朝田家は豪の祖母にも連絡をしただろう。葬式に来ていたのか? たった一人の身内をなくして泣き崩れる祖母に、周囲の人が「お孫さんは立派じゃったね」と声をかけるシーンを、一瞬でも映したらよかったのにと思う。
