粗筋
深夜営業の書店で強盗事件発生。所轄署の刑事が犯人を追って職質をかけたら相手は下着泥棒だった。その泥棒氏、書店の駐車場に停まっていた自動車の後部座席に人がいたと証言。自動車は、事件の報を受けて現場へやってきた佐古巡査部長のもの。彼は人など乗せていないと否定するが……
雑感
面白かったが、警察内部の不正に右京・薫らが正義感で立ち向かう的な話は「踊る大捜査線」ですでにさんざんやっていることであり、ちょっと中途半端な印象を受ける。出世に響くからと事件を揉み消そうとした滝沢署の署長は結局左遷人事を受けるが、これは右京が小野田官房長官とツーカーだからこうなったと思われ、「冷や飯を食わされている窓際刑事がけなげに頑張る」というスタイルから「中央に太いパイプを持ち自由奔放に振る舞える」というスタイルへの変更はちょっと針がぶれ過ぎる。
退職に追い込まれた佐古が、結局弱いものが切られて終わりなんだと叫ぶのもいただけない。組織ぐるみで隠ぺいしようとしたことも問題だが、そもそもは自分が半病人をほったらかしにして死なせてしまったことが原因だろう。それが刑事事件にも問われず、懲戒免職にもならず、依頼退職で済んでいるのだ。文句を言える立場ではなかろう。