窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「交渉人 真下正義」

題名交渉人 真下正義
監督本広克行
出演■シリーズ初登場/寺島進木島丈一郎、警視庁刑事部捜査一課SIT係長)、東根作寿英(浅尾裕太、SIT警部)、ムロツヨシ(倉橋大助、警視庁刑事部交渉課)、神野美紀(宮武久美子、警視庁刑事部交渉課)、石田剛太(渡辺敬祐、警視庁刑事部交渉課)、清水智子(三島希美、警視庁刑事部交渉課)、古山憲太郎(上戸伸也、警視庁刑事部交渉課)、矢島健一(菅野、警視庁公安部部長)、國村隼(片岡文彦、TTR総合指令室指令長)、石井正則(矢野君一、TTR広報主任)、小林隆(山越考雄、TTR総合指令室施設指令長)、中村育二(清水将介、TTR総合指令室車両指令長)、金田龍之介(熊沢鉄次、線引屋)、八千草薫(片岡智代、片岡文彦の母)、西村雅彦(前主十路、クラシック指揮者)、他
■警視庁/ユースケ・サンタマリア真下正義)、小泉孝太郎(小池茂)、柳葉敏郎室井慎次)、高杉亘(草壁中隊長)、松重豊(爆発物処理班班長)、大和田伸也(安住部長)、他
■湾岸署/水野美紀(柏木雪乃)、甲本雅裕(緒方薫)、遠山俊也(森下孝治)、他
■その他/三上市朗(赤い服の男)、他
制作日本(2005年5月7日公開)
時間128分

内容紹介

2004年12月、東京の地下鉄・東京トランスポーテーションレールウェイ(TTR)の最新鋭試験車両クモE4-600(通称クモ)が何者かに乗っ取られ、暴走を始めた。室井慎次は緊急対応として、真下正義率いる交渉課のメンバーをTTR指令室に送り込む……

雑感

初めての本格スピンオフ作品がユースケ・サンタマリアを主人公にしたドラマというのはいい目の付け所だと思った(まあ「湾岸署婦警物語」や「深夜も踊る大捜査線」もスピンオフドラマといえないことはないが)。青島やすみれ抜きでもちゃんとドラマが作れる程度には周辺の人物がきちんと描かれてきたと改めて示されたこと、本庁と所轄の対立という設定は抜きにしたシンプルなストーリーになったこと、が好感を持った要因である。もちろん、雪乃さんの登場時間が増えるのも嬉しい。

初登場の木島丈一郎がいい味を出していた。事前に「踊るの世界観をぶっ壊す」などと物騒なことを言ったいたため、不安もあったのだが、踊るの世界観を拡げてくれたと思う。

TTRの指令室がよくできていた。踊る映画で設けたお金をこういうところにつぎ込んだのだな、と思わせる豪勢なもの。恐らくスタッフは嬉々として作ったに違いない(映画には1秒も映らない箇所にいろいろマニアックな仕掛けを施したりとか)。このセットだけでも劇場に足を運ぶ価値はある。

公開直前の4月25日に福知山線脱線事故が起き、大きな社会問題になったため、被害者の心情を慮ってなどという理由で公開中止になるのではと危惧したが、予告編の自粛をした程度で、予定通りに公開してくれたのは英断だった。

真下と雪乃さんの追いかけっこは「踊る」のひとつの柱だったが、少々飽きてきた。と思ったら、本作ではきちんと「付き合っている」ところから始まったのは良かった。そして最後に真下が雪乃さんに指輪を送り、雪乃さんがその指輪をはめた左手を嬉しそうに眺めるシーンで終わったのは本当に良かった。

ただし、ストーリーがぐだぐだなのは相変わらずの「踊る」クオリティ。謎解きもご都合主義だし、結局犯人が誰かも不明(生死も不明)なまま。「交渉人2」への伏線かとも思ったが、2014年2月現在、続編が制作される様子はない。

配役

  • 寺島進を始めて見た。
  • 水野美紀は好きな役者だし、一般に女性の長い髪は好きなのだが、今回の雪乃さんの髪型はどうも違和感がある。最初に登場した時、雪乃さんとはわからなかった。

(2014/02/24記)