窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「スカイハイ2」第八死「予言」、最終死「宿命」

出演

感想

  • 未来が透けて見える強力な霊感を持つ久米島かの子は、天野そらの死を予知した。本人や周囲に危険を告げるが相手にされず、気になってあとをつけている時に彼女を襲おうとする安藤保を見つけ、止めに入ったところを刺される。まだ死んでいないのに異能を持つ彼女は怨みの門にきてしまう。そらを助けたいかの子は、再びそらを襲いかけた安藤を呪い殺し、そらを救う。
  • そらを救いたいかの子が「あんた、殺される」と触れて回って自身が厄介者扱いされたり、死んでいないのに何度も怨みの門にやってきたりする渡辺えり子のコミカルな演技がすべて。存在感のある役者だ。本当に救いたいなら、もう少し説明の仕方を工夫すればいいのに、ただ「殺される」だけじゃあねえ……。それに、もしその予知が本当に正しいのなら、どのみち回避できないのでは? でも、せめて一度くらい誰かの役に立ちたいと、見知らぬ他人(そら)のために地獄へ行くことも厭わないかの子の心根には打たれる。
  • 冒頭で異形の者が現われ、それを見たかの子が卒倒するシーンがあるが、この異形はこれまでにない独特の演出で目をひかれた。
  • 死ぬ前に怨みの門に来た人は初めて。死ぬ前に選択をし、「呪い殺す」力を使ったのも初めて。
  • もっとも、そこまでしてそらを救ったのに、結局そらは怨みの門にきてしまう……。
  • タイトルが別々だったため別の話かと思ったら、2回で一話の構成。「予言」ではなぜそらが襲われるのかの謎ときが一切なされない。それは最終話で明かされる。
  • そらは幼い頃、家を襲った4人組の強盗に両親を殺され、自身も殺されかけた過去を持つ。幼児も殺そうとした犯人のうち二人が、なぜか突然炎上。残りの二人は遁走した。彼女を殺そうとした安藤保はこの時の強盗の生き残りだった。安藤の手からは逃れるたものの、結局、最後の一人に殺されることになる。
  • 強盗殺人事件は15年前の出来事。放送時(2004年)では、死刑に相当する罪は15年で時効だから、既に時効か、間もなく時効を迎えるはず*1。そんな過去の事件のために、新たな殺人を犯すのは全く納得がいかない。彼らには余罪がいろいろあって、つかまったらすべてが終わりと思っていた?
  • かの子に呪い殺された安藤と、幼い頃のそらを襲い突如炎上した強盗と、死に方が同じだったために、ああこれは、先に殺された彼女の両親が呪い殺したんだなあとはすぐに気づいた*2。が、そらが「叫び声をあげると目の前の人が炎上する」という異能を持っていると思い込み、両親を殺され、自身も殺されかけたこと以上にそのことにショックを受けた、という設定は見事。だから広田大地に、他の人が見えないものが見えても、そのことを口にしてはダメ……ととってつけたようなことを言ったりしたのか(このセリフが第八死ではなくもっと早くから何度も口に出ていたら、うまい伏線になったのだが)。
  • 園長先生には、あああの占い師の言っていたことは本当だった、もっとちゃんと耳を傾けていれば回避できたかも……とチラとでも思ってほしかった。そらが殺されたあと、かの子のことを全く思い出さなかったのはちょっとかわいそう。
  • そらが殺される直前、最後に会っていたのは絵本作家の川村翔だった。が、警察は彼に対して事情聴取を全く行なっていない。園長先生が必死で食い下がり、連絡先を教えたがらない出版社に最後は警察の力を利用して会いに行くが、刑事は同行しない。どうなっているの?
  • イズコは、この世に生を受ける前に殺されここにきた……と漏らす。これはシーズン1と同じ設定。シーズン1のイズコは再生への道を歩んだはず。何度かの再生を繰り返し、また不幸にして殺されるか事故に遭って再びここへきた、だからシーズン1とは門の形も門番の衣装も違うのだと理解していたが、そうではなかったのだろうか?
  • 長いお付き合いだったが、これでドラマ「スカイハイ」ともお別れ。少々疲れた。仮にシーズン3、もしくはSP版が製作されるなら、イズコは釈由美子以外の人でお願いしたい。

*1:2005年1月1日から死刑に相当する罪の時効は25年に延びた。もっとも、これは2005年以降に発生した事件に対して、ということだろうから、いずれにしてもこの事件は最長でも15年で時効を迎えることになる。

*2:考えてみたら、たとえ死んでも、事件として発覚しないと怨みの門には来られないのではなかったか? 誰かが知っていればいいのか? それがたとえ犯人グループであっても?