トータル30本目、邦画20本目という節目の一本だがちょっとトホホであった。
原作漫画はもちろん、TVドラマも見ていないが、急にそこまでの予習はできないので、「ストーリーは映画オリジナル」「TVドラマとはリンクしていない」という噂を信じて観に行く。まあ、確かにそれは事実だったけど、恐らくはTVドラマにおける世界観というのがあって、「知っているに越したことはない」ということなのではないだろうか。
新井浩文が捨てキャラのように一場面だけ出てきて終わったのも、
満島ひかりがエンディングに名前が出てきて気付いたがどこで登場したのかさっぱりわからなかったのも、あとで調べたらドラマの主要人物だったそうで。
それはともかく、タイトルと、映画のポスターから察するに、これまで女性に縁のなかった
非モテブサ男くんに、突如「モテ期」がやってきた! 美女も囲まれ、さあどうしよう!? という話なんだろう。そして、主人公に恋する美女というのが
長澤まさみ、
麻生久美子、
仲里依紗、
真木よう子なんだろう。カワイコちゃんの
長澤まさみ、お姉さま風の
麻生久美子、派手なイケイケの
仲里依紗、男前の
真木よう子と、タイプの異なる女性が、それぞれの魅力を発揮してくれるのは、観ているこちらも楽しいし、主人公のハートをゲットするのは誰だ!? という話かと思ったのだ。誰でもそう思うんじゃないか。
そろそろ上映も終わりだからネタバレを気にせず書くと、
長澤まさみは主人公と仲良くなっていろいろ飲み歩いたり、遊びに行ったりするし、いい雰囲気になったりもするんだけど、彼女には好きな人がいて、あくまで飲み友達かちょっとした遊び相手、というだけ。
仲里依紗はホステスなので客に愛想よくしたところで恋とか愛とかとは無縁。
真木よう子に至っては、仲良くなるわけでもなければ、怪しい雰囲気になるわけでもない。ただの(怖い)先輩というだけ。結局、主人公を好きになるのは
麻生久美子だけなのだ。
麻生久美子が主人公を好きで、主人公は
長澤まさみを好き、
長澤まさみは彼氏がいる、しかしその彼氏は既婚者だという、ちょっとややこしい恋愛物語なのだが、主人公にしてみれば単なる(
長澤まさみに対する)片思いというだけであって、これを「
モテキ」とするのは
羊頭狗肉の感がある。
長澤まさみ可愛いよ
長澤まさみ、と思って観ていればよかったのかも知れないが、
長澤まさみ自体は可愛かったけど、彼女の演じるみゆきという女がどうにも気に入らない。やたらヘラヘラ笑っているのもむかつくし、幸世の部屋に泊って自分からキスをせがんでおきながら、幸世がみゆきを好きになると、実は彼氏がいます、もう幸世くんとは付き合えませんって、幸世ならずとも「ふざけるな」と言いたくなるところだ。
幸世は、るみ子(
麻生久美子)に好きだと言われて、これでヤリたい時にいつでもヤレる女が(ようやく)確保できたというのに、彼女を振るところはすげえなと思った。
ところで、みゆきがはじめて幸世の部屋に泊った時、床に寝ころんだ彼女の頭のそばに転がっていた本の背表紙が「エイジ」に見えたんだけど……違うかな。